AWS RDS バージョンアップ!MySQL 5.7サポート終了への対策と最適化戦略
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AWSのRelational Database Service(RDS)は、クラウドデータベース管理の分野で重要な役割を果たしています。その中でも、MySQL 5.7は多くの企業にとって中心的な存在でした。しかし、AWSがMySQL 5.7のサポート終了を発表したことで、多くの企業が新たな課題に直面しています。この記事では、その変化に対応し、最新のデータベース技術を効果的に活用するための戦略を紹介します。
AWS RDSの基礎と重要性
Amazon Relational Database Service(AWS RDS)は、クラウド上でのリレーショナルデータベースの管理を簡素化し、ハードウェアのプロビジョニング、データベースのセットアップ、パッチ適用、バックアップなどの時間を要する管理タスクを自動化します。これにより、アプリケーションに集中し、高速なパフォーマンス、高可用性、セキュリティ、互換性を提供することが可能になります。RDSは、MySQLやOracleなど、複数のDBエンジンを選択して利用することができ、特に構築、管理の容易さ、高いスケーラビリティ、低コスト、暗号化による高いセキュリティなどがその特徴です。
AWS RDSのバージョンアップ手順とメリット
AWS RDS(Amazon Relational Database Service)のバージョンアップは、データベースの最新機能へのアクセスと運用の最適化を提供します。具体的な手順として、商用環境への適用前に徹底的なテストを行うことが重要です。メジャーバージョンアップグレード中には、RDSによってMySQLバイナリ mysql_upgrade
が実行され、テーブルのアップグレードが行われます。また、slow_log
および general_log
テーブルが空になるため、これらのログ情報を保持するには、アップグレード前に内容を保存する必要があります。
MySQL 5.7から8.0へのアップグレードでは、RDSが自動で非互換性を検出するための事前チェックを行います。非互換性がある場合、RDSではアップグレードを実行できず、自動的にキャンセルされるため、ダウンタイムが発生しません。
バージョンアップのメリットとして、Amazon RDSは構築が簡単で、必要な設定値を設定するだけで約10~15分でデータベースを構築できます。また、高可用性を容易に実現でき、トラブル発生時にシステム停止を最小限に抑えることが可能です。運用面では、インフラ基盤・OSの部分がフルマネージドサービスであるため、ユーザーはデータベースの管理に集中でき、自動バックアップや自動パッチ適用により業務の負担や手間を軽減できます。さらに、バージョンアップに要する時間を見積もることができ、コピーを作成して検証することで、元の本番インスタンスに影響を与えずに検証が可能です。
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MySQL 5.7サポート終了の意味と対応策
Amazon RDS (Relational Database Service) は、MySQL 5.7系のサポートを2024年2月29日に終了する予定です。この変更は、セキュリティパッチの提供終了を伴います。AWSは、RDSを使用しているユーザーに対し、メジャーバージョン8.0へのアップグレードを推奨しています。
アップグレードプロセスを容易にするため、MySQLでは「アップグレードチェッカー」ツールを提供しており、これを使用してアップグレード前の準備状況を一括で確認できます。さらに、Amazon RDSでは「Blue/Green Deployments」機能を使用して、本番環境を別の同期されたステージング環境にコピーし、本番環境に影響を与えずにアップグレードを実行できます。この方法ではダウンタイムも通常1分未満に抑えられます。
サポート終了期限までにアップグレードが完了できない場合、AWSは2023年9月1日に、MySQLおよびPostgreSQLデータベースに対する「延長サポート」を発表しました。これにより、2024年3月1日以降でもRDSでMySQL 5.7を使用し続けることが可能です。ただし、延長サポートには追加コストが発生し、将来的にはアップグレードが必要となるため、可能な限り早期のアップグレードを検討することが望まれます。
AWS RDSの料金と効率的な運用方法
AWSのRelational Database Service(RDS)は、クラウドベースのリレーショナルデータベースサービスであり、使い方、料金、セキュリティなどに関する多くの特徴があります。RDSの主な特徴には、簡単なデータベースセットアップ、スケーラビリティ、高可用性と耐久性が含まれます。また、管理作業がAWSによって行われるため、開発者は本質的な業務に集中できます。しかし、AWSの管理下で動作するための制約事項やコストの面も考慮する必要があります。
料金面では、データベースエンジン、インスタンスタイプ、ストレージ容量などに基づいて計算され、使用するデータベースエンジンによって料金が異なります。インスタンスタイプの性能が高いほど、料金も高くなり、データ転送に関する料金も発生します。さらに、追加オプションの利用によっても料金が変動することがあります。Amazon RDSでは、無料枠も提供されており、試用目的や小規模なアプリケーション開発に適しています。
効率的な運用方法としては、メトリクスを使用してメモリ、CPU、レプリカの遅延、およびストレージの使用状況をモニタリングすることが重要です。また、最大ストレージ容量に近づいた場合には、DBインスタンスをスケールアップすること、自動バックアップを有効にし、書き込みIOPSが低くなる時間帯にバックアップを設定することが推奨されます。
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AWS RDSマルチAZ展開のメリットと運用
AWS RDSのマルチAZ(アベイラビリティーゾーン)展開は、高可用性と耐久性を提供します。この配置では、Amazon RDSがプライマリデータベースインスタンスを自動的に作成し、別のAZのインスタンスに同期的にデータをレプリケートします。障害が発生すると、スタンバイインスタンスに自動的にフェイルオーバーされます。これにより、手動介入なしで60秒以内に自動データベースフェイルオーバーが完了し、アプリケーションの高可用性をサポートします。また、スタンバイインスタンスからバックアップすることで、プライマリでのI/O活動の一時停止を回避し、読み取りと書き込みに別々のエンドポイントを使用してトランザクションコミットレイテンシーを最大2倍高速化し、読み取り容量を増加させることができます。
PostgreSQLとAWS RDSの統合と最適化
AWS RDS for PostgreSQLの最適化には、いくつかの基本的な概念と戦略が存在します。まず、待機イベントと基本的なメモリ及びディスクアーキテクチャを理解することが重要です。待機イベントは、リソースの待機状態を示し、バッファへのアクセスやロックされた行、データファイルの読み込み、ログファイルの書き込みなどが含まれます。これらのイベントは、通常パフォーマンス問題を示唆しており、適切に管理することでパフォーマンスを向上させることが可能です。
RDS for PostgreSQLのメモリは共有メモリとローカルメモリに分かれています。共有メモリには、共有バッファプールが含まれ、これはアプリケーションによって使用されるページを保持し、データベースの運用効率を向上させます。ログ先行書き込み(WAL)バッファは、トランザクションデータを一時的に保持し、障害発生後のデータリカバリやディスクI/Oの削減に貢献します。
ワークメモリ領域は、ソートやハッシュ操作を行うクエリのテンポラリデータを保持します。これは、work_memパラメータによって管理され、セッションごとに最適化されます。メンテナンス作業用メモリ領域は、バキューム処理やインデックス作成などのメンテナンスオペレーションに使用され、maintenance_work_memパラメータで管理されます。テンポラリバッファ領域は、各セッションでテンポラリテーブルをキャッシュし、temp_buffersパラメータで制御されます。
また、RDS for PostgreSQLは複数のプロセスを使用し、これらのプロセスはPostmasterプロセスによって管理されます。Postmasterプロセスは、クライアント要求の認証やバックグラウンドプロセスのフォークとモニタリングを担います。バックグラウンドプロセスには、WALライター、バックグラウンドライター、オートバキュームデーモンなどがあり、データベースの運用効率と安定性を保つための重要な役割を果たします。
これらの要素を適切に管理し、最適化することで、AWS RDS for PostgreSQLのパフォーマンスを向上させることができます。
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デプロイの最適化と実行プロセス
前述した通り、AWS RDS for MySQL 5.7は、2023年10月に非推奨となり、2024年2月29日に標準サポートが終了します。このため、多くのシステム開発担当者はメジャーバージョン5.7から8.0へのアップグレードを検討しています。MySQL 8.0は、5.7と比べて多くの非互換性を持っているため、アップグレードプロセスではこれらの非互換性に注意が必要です。
アップグレードの過程で、AWS RDSは「Blue/Green Deployments」機能を提供しています。これは、本番環境のデータベースをステージング環境にコピーし、本番環境に影響を与えることなくステージング環境でアップグレードを行うことができます。ダウンタイムは通常1分未満と非常に短く、ユーザーはステージング環境を新しい本番環境に昇格させることが可能です。
また、2023年9月1日には、Amazon AuroraとAmazon RDSがMySQL 5.7の「延長サポート」を発表しました。これにより、2024年3月1日以降もRDSでMySQL 5.7を使用し続けることが可能ですが、延長サポートは追加コストが発生するため、できる限り早期にアップグレードすることが推奨されます。
バージョンアップ後の業務効率化と見直し
AWS RDSでのMySQL 5.7から8.0へのアップグレードは、業務効率化とシステム最適化に大きな影響を及ぼします。AWSは2024年1月16日までにメジャーバージョン8.0へのアップグレード実施を推奨しており、その後は自動的にアップグレードされます。アップグレードの主なプロセスには、スナップショットの取得、テストインスタンスの作成、そしてテストインスタンスのアップグレードが含まれます。このアップグレードでは、MySQL 5.7から8.0への移行において、非互換性を検出するための自動事前チェックが実行され、問題が発生した場合はロールバックが可能です。
このアップグレードにより、データベースのパフォーマンスとセキュリティが向上し、新しい機能や最適化が利用可能になります。アップグレード後の業務効率化においては、改善されたクエリ実行計画やセキュリティ強化、データの処理と管理の効率化などが期待できます。特に、ビジネスの成長と共にデータ量が増加する中小企業にとって、このアップグレードはシステムのスケーラビリティと持続可能性を高める重要なステップです。また、長期的にはコスト削減やリソースの最適化にも寄与する可能性があります。サポート終了に伴うリスクを避け、最新のテクノロジーを活用することで、中小企業のシステム開発担当者はより効率的で安全なシステム運用を実現できるでしょう。
AWS RDSのMySQL 5.7から8.0へのアップグレードは、多くの技術的な課題と計画的なアプローチを必要とします。この複雑なプロセスにおいて、専門的なサポートが不可欠です。
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