2024年最新)ソフトウェアテスト資格「JSTQB認定」「ISTQB認定」テスト技術者資格とは?違いや難易度は?
目次[非表示]
- 1.JSTQB認定テスト技術者資格とは?
- 2.ISTQB 認定テスト技術者資格とは?
- 3.「JSTQB認定テスト技術者資格」と「ISTQB認定テスト技術者資格」の違い
- 3.1.受験可能な試験種類の違い
- 3.2.運営組織による受験方法や言語の違い
- 4.JSTQB認定テスト技術者資格の2つのレベル
- 5.JSTQB認定テスト技術者資格の難易度について
- 5.1.難易度・合格率①Foundation Level(FL)
- 5.2.難易度・合格率②Advanced Level(AL)テストマネージャ(TM)
- 5.3.難易度・合格率③Advanced Level(AL)テストアナリスト(TA)
- 6.JSTQB認定テスト技術者資格を取得する企業としてのメリットと個人的メリット
- 7.開発現場で必要とされるJSTQB認定テスト技術者資格の将来性
- 8.JSTQB認定テスト技術者資格を受験するには?
- 8.1.JSTQB認定テスト技術者資格の勉強法
- 8.1.1.➀JSTQB公式シラバスを徹底的に読み込む
- 8.1.2.➁公認テキスト・対策セミナーを活用する
- 8.1.3.➂サンプルの問題や模擬試験を解く
- 8.1.4.➃オンライン研修プログラムやアプリで勉強する
- 9.まとめ 〜ソフトウェアテストはJSTQB認定テスト技術者がいる開発会社から選ぶ〜
ソフトウェアテスト技術者資格として有名な「JSTQB認定テスト技術者資格」。そもそも、どのような資格試験なのでしょうか? ソフトウェアテスト・第三者検証でも注目を集めるJSTQB認定テスト技術者資格の基本情報やISTQB認定テスト技術者資格との違い、開発現場で知っておきたいポイントなどをまとめました。
JSTQB認定テスト技術者資格とは?
「JSTQB認定テスト技術者資格」とは、ソフトウェアテスト技術者資格の日本における認定と運営組織であるJSTQB(Japan Software Testing Qualifications Board)による、ソフトウェアテスト技術者の認定資格です。
ソフトウェアテストに関する国際的な資格認定を行う組織として、ISTQB(International Software Testing Qualifications Board:国際ソフトウェアテスト資格認定委員会)があります。ベルギー・ブリュッセルに拠点を置くISTQBは、各種認定資格試験の出題範囲を定めたシラバスの作成・公開や、各国のISTQB加盟組織との連携・相互認証を仲介する役割を担っています。
そのISTQBの、日本における加盟組織がJSTQBであり、資格や教育・訓練組織の認定についてISTQBと相互認証を行っています。したがって、JSTQB認定テスト技術者資格に合格すると、日本国内のみならず海外でも有効となります。
ISTQB 認定テスト技術者資格とは?
「ISTQB認定テスト技術者資格」は、ISTQBが提供するテストエンジニアのための国際認定資格です。総合的なスキルに関する「Core」、アジャイル開発に特化した「Agile」、特定の技術や業界ドメインに特化した 「Specialist」の3区分で構成されており、そのうち「Core」は「Foundation」「Advanced」「Expert」の3段階のレベルに分かれています。
▼Certified Tester Scheme
出典:ISTQB公式サイト(https://www.istqb.org/about-us/what-we-do)
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「JSTQB認定テスト技術者資格」と「ISTQB認定テスト技術者資格」の違い
JSTQBはISTQBの加盟組織であり、資格認定についてISTQBと相互認証を行っています。したがって、両者の資格は同等のものとして取り扱われますが、受験可能な試験の種類などに違いがあります。
受験可能な試験種類の違い
ISTQB認定テスト技術者資格が実施する認定試験のうち、JSTQB認定テスト技術者資格で受験できる科目は、基礎レベルの「Foundation Level」(FL)、同じくFLレベルの「自動車ソフトウェアテスト担当者」(AuT)、FLの上位レベルである「Advanced Level」(AL)のうち「テストマネージャ」及び「テストアナリスト」の、計4科目です。その他の科目については、JSTQB認定テスト技術者資格の対象に含まれていません。
▼JSTQB認定テスト技術者資格で受験可能な科目(2024.1時点)
Foundation Level |
Foundation Level |
○ |
アジャイルテスト担当者 |
○ |
|
AIテスティング |
○ |
|
自動車ソフトウェアテスト担当者(AuT) |
○ |
|
モバイルアプリケーションテスト担当者 |
○ |
|
性能テスト担当者 |
○ |
|
Advanced Level |
テストマネージャ(TM) |
○ |
テストアナリスト(TA) |
○ |
|
テクニカルテストアナリスト(TTA) |
○ |
|
アジャイルテクニカルテスト担当者 |
○ |
|
テスト自動化エンジニア |
○ |
https://www.istqb.org/about-us/what-we-do
https://jstqb.jp/syllabus.html#syllabus_corefoundation
運営組織による受験方法や言語の違い
JSTQB認定テスト技術者資格が実施する各試験のシラバスや試験内容は、加盟しているISTQBの内容にもとづき日本語に翻訳・作成されています。JSTQBはシラバスから問題まで全て日本語であり、受験場所も日本国内です。一方ISTQBは全て英語で海外でも受験が可能となっています。言語は日本語と英語で異なりますが、内容に違いはありません。
受験方法については、2022年度より日本での実施方式が変わります。JSTQBは、従来は指定された受験会場にて試験会場(6地域)で紙と筆記具で受験する方式で実施していましたが、それが廃止され、2022年10月以降は、全国各地に設置されたテストセンターにてCBT方式(コンピュータ端末を使った試験方式)で受験できるようになります。これにより受験者は、全国各地に設置されたテストセンターにて任意の日程でオンライン配信された試験を受験することができます。
またISTQBも同様に、日本国内各地のテストセンターで受験が可能です。
※本情報は2024年1月時点のものです、必ず最新情報をご確認ください。
参考:
・https://www.pearsonvue.co.jp/About-Pearson-VUE/Press-Room/2018/Brightest-launches-ISTQB-online-proctored-exams.aspx
・https://ict-enews.net/2021/12/16jstqb/
▼CBT試験種別申し込み開始予定(2024.1時点)
CBT試験種別 |
申込み |
---|---|
Foundation Level |
予約可能日であればいつでも申込み可能
|
Advanced Level テストマネージャー | |
Advanced Level テストアナリスト |
出典:https://www.juse.or.jp/sqip/qualification/jstqb/advanced.html
JSTQB認定テスト技術者資格の2つのレベル
JSTQB認定テスト技術者資格には「Foundation Level」(FL)と「Advanced Level」(AL)の2つのレベルがあります。
Foundation Level(FL)
FLは、ソフトウェアテストに全般に対する基礎的な知識を問う試験です。FLの資格を取得していれば、ソフトウェアテストの計画、評価・検証、進捗管理など、テストエンジニアとしての基礎的なレベルの技術を有していることの証明になります。
Advanced Level(AL)
JSTQBが実施するALの資格認定試験には、「テストマネージャ」(TM)と「テストアナリスト」(TA)の2種類があります。
ALを受験するには、➀FL に合格していること、②現場での業務経験が3 年以上あること、という2つの要件を満たす必要があります。
Foundation LevelとAdvanced Levelの違い
JSTQB認定テスト技術者資格では、知識の認知レベルをK1(記憶)、K2(理解)、K3(適用)、K4(分析)の4区分で示しています。
FLは K1(記憶)、K2(理解)、K3(適用)の3区分が出題範囲となっており、基礎的な知識の確認に主眼が置かれています。対して、ALはK2(理解)、K3(適用)、K4(分析)が出題範囲で、知識の確認だけでなく事例対応など実践面を問う内容が中心となり、難易度も高くなります。
また、それぞれの試験において試験方法、試験時間などは次のとおり異なります。
▼種別ごとの試験概要(2024.1時点)
種別 |
Foundation Level |
Advanced Level テストマネージャ |
Advanced Level テストアナリスト |
試験方法 |
選択式 (出題数:40問) |
選択式 (出題数:65問) |
選択式 (出題数:40問) |
試験時間 |
60分 |
180分 |
120分 |
試験頻度 |
CBT/予約可能日であればいつでも受験可 (2024年1月現在) |
CBT/予約可能日であればいつでも受験可 (2024年1月現在) |
CBT/予約可能日であればいつでも受験可 (2024年1月現在) |
受験資格 |
なし |
➀Foundation Level資格取得者 ➁業務経験3年以上(業務経歴申請書の提出あり) |
➀Foundation Level資格取得者 ➁業務経験3年以上(業務経歴申請書の提出あり) |
受験料 |
22,000円(税込) |
22,000円(税込) |
22,000円(税込) |
※最新の内容は、JSTQB認定テスト技術者資格認定試験の実施パートナーである「一般財団法人日本科学技術連盟」のサイトをご確認ください。
※特記事項:JSTQBシラバスは2024年11月(英語版は2024年5月9日から)からVer.4.0にバージョンアップされます。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000031.000054604.html
https://www.istqb.org/certifications/certified-tester-foundation-level
JSTQB認定テスト技術者資格の難易度について
JSTQB認定テスト技術者資格のFoundation Level(FL)、Advanced Level(AL)の難易度や、実際の合格率はどうなっているでしょうか。資格ごとに見ていきましょう。
難易度・合格率①Foundation Level(FL)
FLは、次の6つの章ごとにキーワードと概念を認識し、それぞれをFLが求めるレベルで記憶・理解・適用することが試験の目的となります。直近5年間の合格率は52%台〜71%弱で、平均すると約63%で、平均すると約60%と、毎回過半数を超えています。
- 第 1 章:テストの基礎
- 第 2 章:ソフトウェア開発ライフサイクル全体を通してのテスト
- 第 3 章:静的テスト
- 第 4 章:テスト技法と設計
- 第 5 章:テスト活動のマネジメント
- 第 6 章:テストツール
https://jstqb.jp/dl/JSTQB-SyllabusFoundation_VersionV40.J01.pdf
難易度・合格率②Advanced Level(AL)テストマネージャ(TM)
TMでは、プロジェクト毎のテスト計画、プロジェクトマネジメント、提案などテストマネージャとして必要な能力を問う試験です。直近5年間の合格率は16%〜34%強とばらつきがありますが、平均すると約27%です。
- 第 1 章:テストプロセス
- 第 2 章:テストマネジメント
- 第 3 章:レビュー
- 第 4 章:欠陥マネジメント
- 第 5 章:テストプロセスの改善
- 第 6 章:テストツール及び自動化
- 第 7 章:巣タップのスキールアップ構成
https://jstqb.jp/dl/JSTQB-Syllabus.Advanced_TM_Version2012.J04.pdf
難易度・合格率③Advanced Level(AL)テストアナリスト(TA)
- 第 1 章:テストプロセスにおけるテストアナリストのタスク
- 第 2 章:リスクベーステストにおけるテストアナリストのタスク
- 第 3 章:テスト技法
- 第 4 章:ソフトウェア品質特性のテスト
- 第 5 章:レビュー
- 第 6 章:テストツール及び自動化
https://jstqb.jp/dl/jstqb.jpdlJSTQB-SyllabusALTA_V311.J03.pdf
テストケースの適切な選択や実施など、テストアナリストとして必要な能力が求められます。直近5年間の合格率は13%〜44%台で、平均すると約29%です。
前述したとおり、ALはFLとはナレッジレベル(K1~K4)の範囲が異なります。つまり、基礎知識よりも事例対応など実践面を問う内容が多く、シラバスの内容を暗記しただけでは合格することは困難です。出題範囲はALだけでなくFLも含まれるので、FLの復習も必要となります。
▼各認定試験の合格率(直近5回の範囲と平均)(2024.1時点)
レベル |
Foundation Level |
Advanced Level テストマネージャ |
Advanced Level テストアナリスト |
範囲 |
52.0~71.94% |
16.12%~34.07% |
13.5%~44.55% |
平均 |
63.5% |
27.47% |
29.17% |
JSTQB公式サイトhttps://jstqb.jp/
https://www.juse.or.jp/sqip/qualification/jstqb/result.html
JSTQB認定テスト技術者資格を取得する企業としてのメリットと個人的メリット
ソフトウェアテストの知識を体系的に学べる
ソフトウェアテストエンジニアの業務は、テストの計画、結果の分析・設計、進捗管理、品質評価まで多岐にわたります。このようなテストエンジニアの業務内容を、JSTQB認定テスト技術者資格を取得することで体系的・網羅的に理解することができます。
ソフトウェアテストに関わる意思疎通がしやすい
ソフトウェアテストの業務の現場においては、使用する用語や概念について、その定義や理解に微妙な齟齬が生じることがよくあり、意思疎通を妨げる要因にもなります。
ソフトウェアテストの国際的な資格認定機関であるISTQBに準拠した、JSTQB認定テスト技術者資格を取得することは、ソフトウェアテストに関する国際的な「共通言語」を身につけることと同義です。したがって、ソフトウェアテストの業務における共通理解のもと、スムーズな意思疎通が図れるメリットがあります。
ソフトウェアテストスキルの客観的な証明になる
繰り返しになりますが、JSTQBが運営するソフトウェアテスト技術者資格は、国際機関であるISTQBと資格や教育・訓練組織の認定について相互認証しているため、海外でも有効です。この資格を有することで、客観的に一定レベルのスキルを持ったテストエンジニアであることの証明になります。
また、社内でのキャリアアップや転職などの際にスキルの証明になるほか、ソフトウェアテストプロジェクトのアサインをする際の基準にもなります。特に、上位レベルであるALの資格を取得していることは、一定以上のレベル・品質を保証してくれるでしょう。
開発現場で必要とされるJSTQB認定テスト技術者資格の将来性
デジタルトランスフォーメーション(DX)時代の到来により、社会におけるソフトウェア及びテストエンジニアの重要性は増す一方です。ソフトウェアはもはや社会インフラの一部ともいえ、ソフトウェアテストに求められる役割も拡大しています。
そのようなテクノロジーの発展スピード、そしてソフトウェアテストの役割の重要性をふまえて、JSTQB認定テスト技術者資格もその内容が日々アップデートされています。その意味でも、開発現場において今後ますます重視される資格といえるでしょう。
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JSTQB認定テスト技術者資格を受験するには?
JSTQBの資格試験は、2022年10月より、CBT方式での試験に順次移行します。FLの2科目及びALのテストマネージャは2022年10月、ALのテストアナリストは2023年2月より申込開始予定です。以降は、予約可能日であれば全国にあるテストセンターでいつでも受験することができます。
最新の試験実施要項は、JSTQB公式サイトの「JSTQB認定テスト技術者資格試験実施要領」、そしてSQiPの公式サイトに公開されます。
https://jstqb.jp/attribute.html
https://www.juse.or.jp/sqip/qualification/jstqb/index.html
JSTQB認定テスト技術者資格の勉強法
➀JSTQB公式シラバスを徹底的に読み込む
FL、ALのいずれを受験する場合も、JSTQBが公開する公式シラバスを徹底的に読み込むことが、試験勉強の基本となります。
➁公認テキスト・対策セミナーを活用する
FLについては、JSTQBが発行するソフトウェアテストの公認テキスト『ソフトウェアテスト教科書 JSTQB Foundation』があります。また、FL、ALともに過去問題対策セミナーも定期的に開催しています[A1] 。過去のセミナーの動画や資料も、公式サイトより閲覧することができます。シラバスと併せてこれらのテキストやセミナーを活用することで、学習の深度をより高めることができます。
➂サンプルの問題や模擬試験を解く
JSTQBでは、さまざまなサンプル問題を公式サイト上で提供しています。実際の問題を解いてみることで、実際の出題の傾向や雰囲気を把握することができます。
➃オンライン研修プログラムやアプリで勉強する
FLについては、JSTQB公認の研修コース(※現在、オンラインで実施)があります。
・JSTQB認定ソフトウェアテスト技術者-Foundation Levelトレーニングコース(一般財団法人 日本科学技術連盟)
・JSTQB認定テスト技術者-Foundation Levelトレーニング(株式会社 豆蔵)
また、非公式ではありますが「テス友」(Qbook)などテスト技術者資格認定の勉強用アプリもあります。こういったオンラインの研修プログラムや学習アプリを活用するのも効果的な学習方法の一つです。
まとめ 〜ソフトウェアテストはJSTQB認定テスト技術者がいる開発会社から選ぶ〜
今回はソフトウェアテスト技術者資格として有名な「JSTQB認定テスト技術者資格」についてご紹介しました。本記事が「JSTQB認定テスト技術者資格」を検討される上で少しでも参考になれば幸いです。
私たち株式会社コウェルは、ソフトウェアテストの国際資格認定機関であるISTQBの「Global」のパートナー認定企業です。
ISTQBのパートナープログラムは、品質やテスト技術の向上に尽力している企業を認定するスキームであり、企業内の認定技術者の取得人数や資格ランクによってGlobal、Platinum、Gold、Silverの4段階の認定を行います。「Global」のパートナー認定企業は世界に10社しかありません。(※2024年1月時点)
コウェルには、グループ全体で150名を超えるソフトウェアテスト専任のエンジニアが在籍しています。
自社でのテストの実施や第三者評価にお悩みの際は、ソフトウェアテストの品質を保証する国際資格である、JSTQB/ISTQB認定テスト技術者資格の有資格者を数多く揃えるコウェルに、ぜひお気軽にご相談ください。
なお、コウェルに関する詳細資料は以下でダウンロードすることが可能です。
このほか、弊社の具体的なサービスや導入事例については以下をご覧ください。
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