業務効率化とは?スムーズに進める5つの手順と活用できるサービス・ツールを解説
目次[非表示]
- 1.企業における業務効率化とは
- 1.1.業務効率化と生産性向上の違い
- 1.2.業務効率化と業務改善の違い
- 2.業務効率化をスムーズに進める5つの手順
- 2.1.①業務内容の把握・可視化
- 2.2.②課題や問題点の整理
- 2.3.③ロードマップの策定・手法やツールの選定
- 2.4.④改善策の実行
- 2.5.⑤効果の検証・フィードバック
- 3.業務効率化につながるアイデア・手法
- 3.1.業務の統合と分業
- 3.2.業務マニュアルの作成
- 3.3.業務フローチャートの作成
- 3.4.データベースの活用
- 3.5.業務効率化のために活用できるサービス・ツール例
- 3.6.ITツール
- 3.7.アウトソーシング
- 3.8.RPA
- 4.業務効率化を進めるうえで重要なポイント
- 5.まとめ
企業における業務効率化とは
企業における業務効率化は、一般的には「業務プロセスにおけるムリ・ムダ・ムラを削減して、非効率的な業務を改善すること」です。
業務プロセスにおけるムリ・ムダ・ムラとは、例えば以下のようなものです。
- 支出を惜しんで便利な機器・ソフトウェアを導入せず、人的リソースに頼り切る
- 目的が不明確な業務や会議が行われている
- 担当者によってアウトプットの質が大きく異なる
このような非効率な業務をそのまま放置しておくと、競争力の低下やビジネスチャンスの損失につながり、企業利益の低下を招きます。変化の激しい現代において、他社との競争を勝ち抜いていくには、業務効率化が必要不可欠です。
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業務効率化と生産性向上の違い
ムダな投入資源を削減する業務効率化は、生産性向上のための施策の1つです。[1]
生産性向上とは簡単にいうと、インプットに対するアウトプットの比率を増やすことです。ビジネスシーンにおいては、生産性向上は「より少ない資源の投入でより多くの生産物を生み出すこと」と言えます。
企業活動では、業務効率化と同様に、生産性向上も重要視されています。
業務効率化と業務改善の違い
業務改善とは、業務の目的や工程を見直し、問題を発見・解決して、生産性をより高めていくことです。生産性を高めるための具体的なアプローチも含みます。
これに対して、業務効率化は、企業の最終目的である「利益」を獲得するための中間目標と位置付けられます。
例えば、特定の1部門の利益を向上させるために、特定の業務の効率化が必要となった場合、それを実現するための手法として業務改善のアプローチが採用されることがあります。
業務効率化をスムーズに進める5つの手順
ここまでの解説で概要を確認したところで、本章では業務効率化を進めるための手順を以下5つのステップに分けて解説します。
- 業務内容の把握・可視化
- 課題や問題点の整理
- ロードマップの策定・手法やツールの選定
- 改善策の実行
- 効果の検証・フィードバック
それぞれのステップでやるべきことを理解し、業務効率化をスムーズに進めましょう。
①業務内容の把握・可視化
まずは、現状の業務内容を把握しましょう。業務内容を把握するには、業務内容の棚卸しを行い、全体像を可視化することが大切です。
棚卸しを行う際は、担当部署・担当者の名前・担当人数、作業にかかる工数・時間と発生頻度、求められるスキルなどをまとめておくと、整理しやすくなります。
②課題や問題点の整理
業務内容を把握できたら、業務に潜む課題や問題点を整理します。例えば、以下のような観点から、業務効率化を図るべき課題や問題点を洗い出していきましょう。
- 成果に直接影響を与えない業務工程に、時間・コストを費やしすぎていないか?
- 担当者によって進め方が違い、所要時間や成果の量・質に差異が生じていないか?
上記のような観点をもとに課題や問題点を整理し、他の従業員にもわかりやすいよう図や表などを用いて可視化することで、その後の業務効率化をスムーズに進められます。
③ロードマップの策定・手法やツールの選定
次に、業務効率化に向けたロードマップを策定します。業務の目的を果たすうえで効率的な手順や施策を考えながら、理想の業務フローを定めましょう。
業務効率化を図るうえで、比較的簡単に取り入れられる施策の例を以下にまとめました。
- 作業者が重複している工程を省く
- 作業工程を見直し、作業を行う順番を変更する
このような業務効率化に向けた施策にいつから取り組むのか、実現に向けて最適なロードマップを策定しましょう。
加えて、業務効率化を図るうえで用いる手法・ツールも検討します。課題解決には、「業務の進め方を変える」「アウトソーシングを行う」「ツールを活用する」など、さまざまな選択肢があります。業務や企業の状況に応じて最適な手法・ツールを選びましょう。
業務効率化に役立つ手法・ツールについて、詳しくは後の章で解説します。
④改善策の実行
手法やツールが決まったとしても、いきなり改善策を実行することは控えましょう。効率化対象の業務に携わる従業員には、一定の負担がかかります。現場の受け入れ態勢を整えたうえで、改善策を実行することが大切です。
改善策の実行にあたっては、以下のポイントに注意しましょう。
- 繁忙期に取り掛かることは避ける
- 新システムや方法を導入する際は、あらかじめマニュアルやフローを周知させる
たとえ適切な手法・ツールを活用しても、実施のタイミングや導入方法が不適切な場合、改善策が定着せず失敗に終わってしまう可能性が高いです。従業員への負担を意識し、現場の状況を整えたうえで、改善策を実行してください。
⑤効果の検証・フィードバック
改善策の実行後は、効果の検証とフィードバックも忘れてはなりません。一度業務効率化に着手して満足するのではなく、定期的にチェック・フィードバックしたうえで、必要なマイナーチェンジを継続的に実施していくことが、業務効率化の成功につながります。
効果の検証・フィードバックを行う際は、PDCAサイクルの考え方を取り入れることが望ましいです。「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」のサイクルを継続的に回すことで、継続的な業務効率化が図れます。
業務効率化につながるアイデア・手法
ここからは、業務効率化に役立つ具体的なアイデアや手法を4つ紹介します。
業務の統合と分業
複数の従業員が同じ業務をしていたり、業務内容が重複していたりする場合は、その業務をひとつに統合することで効率化が図れます。業務の担当者が減って、情報共有がスムーズに進むようになるためです。
また、特定の業務において工数が多すぎる場合、分業すると効率的に進むことがあります。これは、複数の従業員に業務を分担させることで、それぞれが自身の作業に集中でき、生産性が向上するためです。
業務マニュアルの作成
業務の手順やチェックリストなどをマニュアルに記載しておけば、作業品質の均一化だけでなく、作業時間の短縮にもつながるでしょう。
一般的に業務マニュアルは業務の初心者が活用するため、簡単に理解できるよう図や表を用いてわかりやすく記載することが大切です。
業務フローチャートの作成
フローチャートを作成すると、業務の全体像を簡単に把握でき、それぞれの従業員が自身の作業の意義や流れを意識して作業できるようになります。各従業員が自身の業務進捗が他の作業に与える影響を意識するようになり、作業の優先順位を決めやすくなるためです。
なお、作成したフローチャートは定期的に見直しを行い、逐一無駄な作業がないかチェックすることが大切です。各従業員が作業を行ううえで気付いた点をまとめ、改善を繰り返せば、無駄な作業を効果的に削減できます。
データベースの活用
データベースは、業務効率化だけでなく、企業戦略の分析にも役立ちます。
企業が集積している情報をデータベースとして活用すれば、データを探す手間の削減や顧客対応の円滑化などのメリットが期待できます。別の部署・部門のデータを自身の部署のプロジェクトにいかすなど、情報を最大限に活用しまでしょう。
業務効率化のために活用できるサービス・ツール例
続いて、業務効率化に向けて役立つ代表的なサービス・ツールを3つ紹介します。
ITツール
業務効率化のために活用できるITツールツールの代表例には、タスク・プロジェクト管理ツールや、コミュニケーション促進ツールが挙げられます。
タスク管理・プロジェクト管理ツールを活用すると、チーム単位でタスクを可視化・共有できるようになります。これにより、スケジュールの抜け漏れやタスクの遅れに素早く気づいて、プロジェクトをスムーズに進めることが可能です。
また、コミュニケーション促進ツールを活用すれば、意思の伝達がスムーズになり、業務に関する連絡や周知にかかる時間の短縮につながります。業務連絡だけでなく気軽なやりとりも活性化させられるため、組織の雰囲気緩和・社内交流・人材定着などの面でもメリットが期待できるでしょう。
ITツールは一つ一つ異なる特徴を持っており、利用料金もまちまちです。導入する際はそれぞれの特徴を把握したうえで、自社の業務効率化につながるものを選びましょう。
アウトソーシング
業務効率化のためには、アウトソーシングの方法も効果的です。アウトソーシングを活用すれば、自社内の業務を外部に委託でき、その業務にかかる時間や負担を削減できます。
アウトソーシングを効果的に活用するには、外注する業務内容の検討が大切です。アウトソーシングの目的に応じて委託する業務内容を選定し、その分野に実績のあるアウトソーサーに依頼しましょう。
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RPA
RPAとは、データ収集や集計などPC上で行う業務を自動化できる「ソフトウェアロボット」のことです。
基本的に、RPAはノンプログラミングで操作可能です。操作パネルを直感的に選択するのみで、誰でも簡単にロボットに指示を出せます。判断を伴わない単純な作業を正確かつ一瞬で完了できるため、とくに膨大なデータを管理する業務において、大幅な時間短縮が期待できます。
RPAを導入する際は、事前に動作環境(デスクトップ型、サーバー型)をチェックしましょう。また、RPAを用いる業務内容や、エラーが発生したときの対応など体制やルールを整えておくことも大切です。
業務効率化を進めるうえで重要なポイント
業務効率化に着手する際は、以下に紹介する3つの注意点をもとに進めましょう。
現場スタッフが扱いやすいツール・システムを導入する
実際にツールやシステムを使用するのは、現場の従業員です。現場の意見を無視して会社の都合のみで導入してしまうと、ツールやシステムが使用されなくなり、結果として現場の業務効率化につながらない可能性があります。
一度に講じる施策はひとつまでにする
一度に多くの施策を実行すると、従業員への負担が大きくなってしまいます。従業員からの協力が得られにくくなり、業務効率化に向けた計画自体が頓挫するおそれも生じます。従業員の会社に対する信頼の低下にもつながるため、注意しましょう。
効果が出ない場合は手法を見直す
ロードマップを綿密に策定し業務効率化を進めていても、「想定していた効果が表れない」「むしろ非効率的になった」といった問題が生じるケースは珍しくありません。
しかし、業務効率化のための施策自体を止めてしまうと、当然ながら業務効率化の効果は得られず、施策に費やしたコストも無駄になります。
業務効率化を目指すならば、現場の声を吸い上げ原因を究明したうえで、手法の見直しや再検討を行うことが大切です。
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まとめ
業務効率化を進める際は、業務内容の把握や可視化、課題や問題点の整理、ロードマップの策定・手法やツールの選定などを行ったうえで、具体的な改善策を実行することが大切です。
業務効率化を成功させるためには、ツールやシステムなどの導入が効果的な場合もあります。本記事で紹介したアイデアや手法も組み合わせながら、自社の業務効率化を進めましょう。
社内に業務効率化をリードできる人材がいない場合、アウトソーシングの活用も有効策のひとつです。アウトソーシングを検討する場合、業務についての棚卸しや開発・保守までを一括相談できる、実績の多い会社への相談をおすすめします。
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