ソフトウェア開発の種類や手法|流れやコツも紹介
目次[非表示]
- 1.ソフトウェア開発とは
- 2.ソフトウェア開発の種類
- 3.ソフトウェア開発の主な手法
- 3.1.ウォーターフォール開発
- 3.2.アジャイル開発
- 3.3.スパイラルモデル
- 4.ソフトウェア開発の流れ
- 5.ソフトウェア開発フェーズごとのコツ
- 6.ソフトウェア開発の課題
- 6.1.人材不足とコスト
- 6.2.ソフトウェア開発の評価、検証
- 6.3.セキュリティ対策
- 7.コウェルのソフトウェア開発
- 8.まとめ
ソフトウェア開発とは
ソフトウェアとは、「コンピューターを動かすためのプログラム」を指す言葉です。どのように動作するのかというプログラムを開発することを、ソフトウェア開発といいます。
ソフトウェア開発とシステム開発の違い
システムとは「ソフトウェアやコンピューターを組み合わせて全体として機能する仕組み」のことです。最適に機能させるための仕組み作りをシステム開発といいます。
ソフトウェア開発の種類
ソフトウェア開発で得られる成果物には、大きく次の3種類に分けられます。
Webシステム
Webシステムソフトウェアとは、Webブラウザ上で動作するソフトウェアです。Webサーバーにシステムを集約でき、パソコンでもスマートフォンでも、デバイスに関わらずインターネットにつながればどこでも動作するのが特徴です。
代表例として以下のようなものがあります。
- G-Mail
- Dropbox
システムが集約されているためメンテナンスしやすいことがメリットです。また、インターネット上で動作させるため、開発時に通信に強いエンジニアが必要になることもあります。
アプリケーション
アプリケーションソフトウェアとは、特定の目的のためにプログラムを作成したソフトウェアです。
アプリケーションソフトウェアは数えられないほど多くありますが、代表例は以下のようなものです。
- Word
- Excel
- Skype
ユーザーの目的をスムーズに実行することに特化したソフトウェアで、特定の機能だけを持つものだけでなく、複数の機能を組み合わせたソフトウェアもあります。「OS以外のソフトウェアは、全てアプリケーションソフトウェア」とシンプルに分類される場合もあります。
ソフトウェアの規模によって開発期間と費用が大きく変わるのも特徴です。
組み込みシステム
組み込みシステムとは、テレビや洗濯機、エアコンなどに組み込まれた、動きを制御するためのシステムです。
電化製品だけでなく、車や製造用ロボットなどにも組み込まれており、基本的には1つの機能に1つのシステムを組み込みます。例えば、洗濯機に洗濯機能と乾燥機能の2つの組み込みシステムを持たせるということです。
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ソフトウェア開発の主な手法
ソフトウェア開発にはいくつかの手法があります。主な手法を3つご紹介します。
ウォーターフォール開発
ウォーターフォールとは「水が落ちてくるという」意味で、ウォーターフォール開発とは、上から下へ一方向の手順で開発を管理する手法です。
決まった期間で決まった工程を進めるため、工数管理や人員確保がしやすく、品質の管理も行いやすいのがメリットです。また、進行度の把握もしやすいので全体的な計画が立てやすくなります。
デメリットは、前の工程でトラブルが発生した場合に次の工程に進めないという点です。また、開発途中で変更が生じた場合は、作業スケジュールを全て変更する必要があります。
アジャイル開発
アジャイル開発とは「プロジェクトに変更はつきもの」という前提で、小さな区分ごとに設計、実装、テストを繰り返す手法です。計画段階では詳細な使用決定をせずに機能ごとに開発を進めていくため、各工程で問題が起きても対応しやすいです。さらに、機能の追加や仕様変更に柔軟な対応ができるというメリットもあります。また、比較的短期間での開発が可能です。
デメリットは、チームごとで開発を進めていくため全体管理が難しく、スケジュールや進捗をコントロールしにくい点が挙げられます。また、大まかな設計で開発をスタートし、変更も容易という特徴があるため、方向性がブレやすいこともデメリットといえるでしょう。
▼アジャイル開発は、こちらを参考にしてみてください。
→アジャイル開発とは?概要から進め方、メリット・デメリット、開発手法について
スパイラルモデル
スパイラルモデルとは、開発工程の全て、または一部を繰り返すことでソフトウェアの品質を高めていく手法です。開発後に使用し、フィードバックをもとに再度開発をするため、より使いやすいものを作れます。また、仕様変更などにも対応しやすいのがメリットです。
デメリットは、問題や仕様変更が多い場合に何度も開発を行うため、開発期間が長期化しやすい点です。また、当初の予定よりシステムが肥大化することもあり、管理コストが掛かる、ユーザーの使い勝手が悪くなってしまうなどのリスクがあります。
ソフトウェア開発の流れ
ソフトウェア開発は次のような流れで行います。
ヒアリング
ソフトウェアを使ってどのようなことをしたいのか、目的や課題のヒアリングをします。また、運用開始の時期や予算についても確認をします。
要件定義
ヒアリング結果をもとに、必要な性能やシステム化する業務を明確にして仕様を確定します。要件定義の内容は開発側とユーザー側で確認をし、双方の食い違いがないようにすることも大切です。
設計
要件定義の内容に基づいて、ソフトウェアの基本設計と詳細設計を行います。基本設計は画面操作などのユーザー向けの仕様、詳細設計はソフトウェアの内部構造など開発者向けの仕様です。
開発
詳細設計の指示内容に沿ってプログラムを作成します。必要に応じてデータベースやその他システムとのインターフェースの開発も並行して行います。
テスト
開発が終わると設計通りに動作するかどうかをテストします。まずは、パーツごとに単体テストを行い、パーツを連携させて結合テストを行います。その後、プログラムとハードウェアを合わせて全体のシステムテストを行い、ユーザーに運用テストをしてもらい、目的や機能が要件定義通りになっているかを確認します。
納品
運用テストで承認されたら開発完了となり、納品をします。運用方法をまとめたマニュアルを渡すことや操作説明の研修を行う場合もあります。
運用・メンテナンス
運用中のトラブル対応やメンテナンスを行います。要望があれば、運用後に使いやすくするための追加開発をする場合もあります。
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ソフトウェア開発フェーズごとのコツ
ソフトウェア開発には、そのフェーズごとに注意したい点やコツがあります。
要件定義のコツ
要件定義では、曖昧な部分があれば何度でもコミュニケーションをとり、詳細な部分にまで明確にすることが大切です。綿密な打ち合わせをして、ユーザーの目的や課題を的確に捉えます。誰が、いつ、どのようになど5W2H(When、Where、Who、What、Why、How、How Much)を意識して定義していくのが良いでしょう。
ユーザーの要求を全て取り入れても、良いソフトウェアにならないこともあります。ユーザーの目的や課題を達成するために必要な機能は何か、という点に焦点を当てて要件定義書を作成します。
要件定義書は、双方が確認して双方の認識が合致してから設計を始めることで、後の仕様変更のリスクを回避できます。
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設計のコツ
設計は、実際にソフトウェアを使うユーザーと開発者が一緒に行うことが大切です。「要件定義で目的を明確にしたのだから」とユーザーが開発者に任せきりにしてしまうと、求めていたものとは違うソフトウェアが完成してしまう場合もあります。
また、設計をしているときはどのようなソフトウェアができるのかをイメージしながら進めます。しかし、ユーザー側はソフトウェア開発に不慣れでイメージしにくいため、実際に動かせる段階になって変更したいと要望することもあります。
そういったリスクを避けるために、パイロット版を作って実際にユーザーに操作してもらう方法も良いでしょう。イメージがしやすくなり、双方がパイロット版を確認することで、認識のずれなく設計ができるようになります。
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テストのコツ
テストでは前述したような動作に関するテストだけでなく、品質に関する次のようなテストも行います。
- 性能……快適に使用できるか
- 機能……ニーズを満たすか
- セキュリティ……不正アクセスや情報漏えいの防止
- ユーザビリティ……ユーザーの使いやすさ
- 負荷……ソフトウェアに負荷をかけて、どのくらいまで機能が維持されるか
これらは、要件定義で明確に示されていない場合も多いので、期待する結果に合わせた条件でテストケースを作ります。セキュリティ面では、攻撃を受けたり悪用されたりする可能性があることを想定してテストを行うことも大切です。
ソフトウェア開発の課題
ソフトウェア開発においては、次のような課題があります。
人材不足とコスト
ソフトウェア開発だけでなく、IT業界全体で人材不足が課題となっています。理由は、IT技術の急激な変化によってIT業界が急成長しているためです。
人材不足でエンジニアを確保することが難しくなると、エンジニアの人件費が高くなるため、開発にかかるコストが増えてしまいます。
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ソフトウェア開発の評価、検証
ソフトウェア開発の工程の中でも、テストフェーズは品質に関わる重要なフェーズです。正しい検証・評価ができずリリース後に欠陥が見つかった場合、次のようなリスクがあります。
- 経済的な損失
- 対応に時間がかかる
- 顧客からの信用を失う
リリース後に欠陥が見つかると、改修や再テスト、欠陥による損失に対応するために時間もコストもかかります。顧客にも影響がある欠陥であれば、信頼を失うリスクもあります。
しかし、ソフトウェアを正しく評価、検証するのは簡単ではありません。そのため、テストのためのプラットフォームや評価・検証に特化した外部サービスを利用して、ソフトウェアの開発に専念できるようなシステムを構築している場合もあります。
セキュリティ対策
安全性の高いソフトウェアを開発する際に重要になるのがセキュリティ対策です。ユーザーが求めるセキュリティ機能の例として以下のようなものがあります。
- ソフトウェアへの脅威を予防する
- 異常を検知し、必要な情報を保護する
セキュリティの高いソフトウェアを開発するとコストや時間がかかってしまう点が課題です。
▼弊社のソフトウェアテストサービスについては、こちら
→オフショア開発で開発もテストサービスも叶う!|コウェルのテストサービスとは?
コウェルのソフトウェア開発
コウェルのソフトウェア開発の特徴は、高品質で最適価格という点です。業界内でいち早くオフショア開発をスタートし、ベトナムと日本のエンジニアが協力して開発するノウハウを蓄積してきました。オフショア開発とは、海外の事業者や子会社に開発業務を委託することで、開発コストが下げられるというメリットがあります。
また、ソフトウェアテストに関する国際的な資格認定機関「ISTQB」の最上位資格である、Global Partnerの認定を受けています。グローバルレベルで品質の高いソフトウェア開発とテスト体制を構築可能です。
なお、コウェルに関する詳細資料は以下でダウンロードすることが可能ですので、何かございましたらお気軽にお問い合わせください。
このほか、弊社の具体的なサービスや導入事例については以下をご覧ください。
▼コウェルのサービスメニュー>>>
コウェルは、日本とベトナムから世界中のお客さまへ高品質なソフトウェアテスト・品質保証・オフショア開発サービスを提供しています。
▼コウェルの導入事例>>>
コウェルは情報通信、金融、流通・小売サービス、医療・ヘルスケアなど、さまざまな業界のお客様の導入を支援しています。
▼オフショア開発については、下記の記事もぜひ参考にしてみてください。
→【2022年最新版】IT業界のオフショア開発とは
まとめ
ソフトウェア開発とは、コンピューターを動かすためのプログラムを開発することです。ソフトウェアには、インターネット上で使うWebシステムやダウンロードして使うアプリケーション、電化製品にも使われている組み込みシステムなどがあり、生活に直結しているものが多いです。
開発の手法もさまざまな種類があり、作りたいソフトウェアや工期によって適しているものは違います。ソフトウェアを開発する上で注意したいポイントは、目的を明確にし、開発者とユーザーのイメージを合致させることです。また、完成したソフトウェアをテストして、動作だけでなくユーザーが満足のいく品質が保たれているかどうかも確認します。
コウェルでは、ソフトウェア開発の課題となっている人件費による開発コストを抑え、テスト環境を整えて高品質なソフトウェア開発を行っています。国際的な認定機関の最上位資格認定を受けているため、安心してオフショア開発を利用可能です。