DX化とIT化・デジタル化との違いとは?効率的な導入方法やポイントを解説
目次[非表示]
- 1.DX・DX化とは?
- 2.DX化とIT・AI・デジタル・IoTの違い
- 2.1.DX化とIT化の違い
- 2.2.DX化とデジタル化の違い
- 2.3.DX化とAIの違い
- 2.4.DX化とIoT化の違い
- 3.企業がDX化やIT化を推進するメリット
- 4.DX化やIT化の進め方ー実践へ具体的なステップ
- 4.1.IT化の進め方
- 4.1.1.①IT化する対象を明確にする
- 4.1.2.②ツールなどを徐々に導入する
- 4.1.3.③従業員が使えるように指導する
- 4.1.4.④PDCAサイクルを回す
- 4.2.DX化の進め方
- 4.2.1.①目的を明確にする
- 4.2.2.②責任者からの許諾を得る
- 4.2.3.③具体的な戦略の立案
- 4.2.4.④現状を把握し優先度を決める
- 4.2.5.⑤業務にIT化を導入する
- 4.2.6.⑥PDCAサイクルを回す
- 5.DX化やIT化には外部委託の活用が効率的
- 6.まとめ
DX・DX化とは?
DXとは、DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、Digital Transformationの略語です。Transformationは「変容」という意味なので、直訳すると「デジタルによる変容」で,デジタル技術を用いて、生活やビジネスが変容していくさまを指します。DX化とは、デジタルを用いて競争上の優位性を確率した状態を指す造語です。
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DX化とIT・AI・デジタル・IoTの違い
DXと似たような言葉に「IT」「AI」「デジタル」「IoT」などがあります。それぞれの意味とDXとの違いについて解説します。
DX化とIT化の違い
ITとは、Information Technology(インフォメーションテクノロジー)の略語で、デジタル技術を用いて作業や業務を効率化することを指します。「生産性の向上」を目指し、これまでアナログだった作業をITに置き換えることが目的です。IT化は生産性向上を「目的」としてIT導入やデジタル化を進めます。DX化はビジネスモデルの変革のために「手段として」IT導入やデジタル化を進めます。つまり、IT化はDXにおける手段のひとつなのです。
DX化とデジタル化の違い
デジタル化とは、アナログシステムや業務プロセスをデジタル技術に置き換えて効率化することです。手紙や電話をメールやチャットにするなどもデジタル化になります。デジタル化は、業務負担を軽減し、作業を効率化することで生産性をアップさせることが目的です。「IT化」「デジタル化」だけでは、DXを実現できなません。デジタル化もIT化と同じようにDXの手段のひとつになります。ペーパーレスや電子化を推進しても、対象の業務などのIT化やデジタル化を転換したに過ぎません。「書類のやりとりが無くなり、顧客がネット上から操作できる機会が増え、顧客満足度が向上した」「効率的にデータの収集が行えるようになり、重視すべき顧客のターゲット層や売れ筋の商品が予想しやすく業務効率が上がった」などの業務や作業効率といった長期的な根本課題まで視野を広げることでDXの成功に一歩進みます。
DX化とAIの違い
AIは、人工知能とも呼ばれ、人間の行動や思考を人間の代わりに実現する技術です。AIには、顔認証システムなどに利用される「画像認識」や、スマートスピーカーで用いられる「音声認識」などがあります。AIもITと同様にDXにおける手段のひとつです。
DX化とIoT化の違い
IoTとは、さまざまなものがインターネットにつながることです。パソコンやスマートフォンといったデジタルデバイスはもちろんのこと、建物・家電・製造機器なども含まれます。IoTを活用すれば、遠隔監視や遠隔制御、データの蓄積なども可能になります。IoT化もIT化、AI、デジタル化同様にDXの手段のひとつといえます。
企業がDX化やIT化を推進するメリット
DXがもたらす新しい価値には、主に次の3点がいえます。
- 新たな製品・サービス、ビジネスモデルのように、顧客にとっての新しい価値
- ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方など、従業員にとっての新しい価値
- 顧客や従業員への新しい価値提供による、企業の価値、競争力の向上
それにより、企業がDX化やIT化を推進することによって得られる主なメリットは、以下のとおりです。
人材不足の解消
DX化によって業務が効率化され、業務時間を削減することが可能になります。たとえば、アナログな作業で5人必要だった業務がDX化することによって1人でも可能になるケースもあるでしょう。デジタル化やIoT化によって離れた場所でも仕事ができるようにもなり、リモートワークの推進にもつながります。企業がDX化を推進すれば、働き方改革の実現に近づき、人材不足の解消も可能です。
業務の効率化
手書き業務などのアナログ業務がIT化されれば、業務の削減や作業効率にも大きく影響します。結果として生産性向上につながり、より付加価値の高い業務に注力することも可能です。IT化によって業務が標準化され、人的ミスが減るだけでなく、ダブルチェックなどの手間や時間も減らせるようになります。
競争力の強化
DX化によって生産性が向上すると、より付加価値の高い業務に人員を配置することが可能になります。また、「IT」「AI」「デジタル」「IoT」などの新しい技術を用いて品質向上を目指すことも可能です。結果的に競争力の強化につながります。
新サービスの創出
DX化を推進することによって、これまでは取得できなかったデータが取得できるようになります。新しいデータを基にして、新しいサービスを開発することも可能です。
働き方改革への対応
DX化によって業務が効率化され、業務時間を削減できることから、残業時間の減少も期待できます。デジタル化やIoTを活用すれば、リモートワークを推進することもできるでしょう。
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DX化やIT化の進め方ー実践へ具体的なステップ
DX化・IT化の違いやDX化のメリットがわかったところで、具体的にどのように進めていけばよいかわからないという方は多いでしょう。そこで、IT化・DX化に分けて、具体的な実践方法を順番に解説していきます。
IT化の進め方
上述したように、IT化は、DXを推進するために必要な手段です。IT化とは、デジタル技術を用いて作業・業務を効率化することです。しかし、ただIT化を進めればよいというわけではなく、DXによって企業が変化し、新しい価値をつくり出す必要があります。以下のような手順でアナログだった作業・業務をITに置き換え、「生産性の向上」を目指しましょう。
①IT化する対象を明確にする
まずは、IT化する業務や作業などの対象を明確にします。IT化する優先度と難易度を基準にすると選定しやすいでしょう。IT化しても業務効率化できないものやコスト削減につながらないものは対象外とします。IT化することによって生産性が向上するものや簡単にIT化できるものを優先させましょう。
②ツールなどを徐々に導入する
ツールやシステムを使ってIT化を進めていく際は、段階を踏むなど徐々に導入していくのがポイントです。多くの業務を一度にIT化すれば、現場は混乱します。問題が発生しすぎて、何が問題なのかを追求できなくなるので注意しましょう。徐々に導入することによって、現場の抵抗感も生まれにくくなります。
③従業員が使えるように指導する
ツールやシステムを導入してIT化が進んでいても、現場で活用されなければ意味がありません。高性能・高機能なツールやシステムでも、実際使う従業員が使いこなせなければ、結局アナログ作業や業務を並行してやり続けてしまうという結果になってしまいます。従業員がスムーズに使えるように指導するのはもちろんのこと、説明会を実施する、マニュアルを完備するなどの手段を実践するのもよいでしょう。
④PDCAサイクルを回す
IT化は導入すれば終わりではありません。従業員が使いこなせるようになってはじめて、達成したといえるでしょう。そのためにも、適切にツールやシステムが使えているかどうかをヒアリングするのが大切です。「使いにくい」「わかりにくい」などの声が出たら改善し、次のPDCAに活かしていきましょう。
DX化の進め方
DX化の手段であるIT化の進め方がわかったところで、次はビジネスモデルの変革を目指すために、どのようにDX化を進めていけばよいのかをチェックしてみましょう。
①目的を明確にする
IT化の目的を明確にする際は、具体的な業務や作業などが対象でした。DX化は、経営層による目的の策定の元、自社の目的達成や課題解決のために推進される手段です。この段階では、DX化を推進して自社がデジタル技術を用い、どのように変容していきたいのか、どのような競争上の優位性を確率したいのかを明確化します。目的を定めないままDX推進を始めようとすると、DXそのものがゴールとなってしまいます。まずは、DX化を何のために推進していくのかを明確にすることが大切です。
例えば、紙の書類であるために、紛失してしまう、効率が悪い、テレワーク化が進まないなどの問題があるとしましょう。データを電子化したり、承認のワークフローをシステム上で行ったりすることによって、紛失防止、業務効率化、テレワークの実現がかないます。このように、現状の問題や課題を洗い出し、どの部分に改善点があるのかを見つけていくことが大切です。
②責任者からの許諾を得る
DX化を進めるには、組織的な取り組みが必要です。全社に関わるなら、組織全体で取り組む必要があります。経営トップや管理職などマネジメント層の合意が得られない場合は、DX化そのものが難しくなります。経営者がDXの重要性を理解したうえで、社員へビジョンを示す方法が理想的といえるでしょう。
③具体的な戦略の立案
自社のDX化が決定したら、具体的な戦略を立てます。全体的なスケジュール、各部署で取り組むアクション・手順、項目別の優先順位などを決めていきます。少人数でのDX化が難しい場合は、プロジェクトチームを発足するなど、DXを進めるための組織を編成します。プロジェクトチーム発足の際は、責任者や、プロジェクトのチームメンバーなどの選定も必要です。
④現状を把握し優先度を決める
具体的な戦略を立てるためには、現状の正確な把握が必要です。たとえば、複数のDX化を進める場合は、同時進行が難しいため優先度を決める必要があります。現状を把握することによって、このままDX化しなければどのような問題が発生するかを予測し、業務にどのように影響していくのかを把握できるようになります。優先順位を付け、優先すべき課題からDX化を進めていきましょう。
⑤業務にIT化を導入する
システムを刷新する、既存のものを流用して改善したシステムを構築するなど、自社にとって一番良い方法でIT化を導入していきます。「ハンコによる承認を廃止する」「会議をペーパーレス化する」など、アナログで行っていた業務の電子化を進めることで、生産性が向上し、コストも削減可能になります。細かな業務のデジタル化が進んだら、「電子印を押した書類を印刷なしで回覧できるワークフローシステムを導入する」「ビジネスチャットでデータのやり取りを行う」など、組織全体のワークフローもデジタル化していくことを検討しましょう。業務プロセスやワークフローのデジタル化のみに留まらず、ビジネスモデルの変革にも積極的に取り組むことも大切です。
⑥PDCAサイクルを回す
IT化と同様にDX化も導入すれば終わりではありません。自社の事情や環境によって適した方法が異なるため、少しずつ変革していき、PDCAを回すことも大切です。定期的に振り返って現状の課題を発見し、改善へ向けて次回の施策を検討していきましょう。DX化は一時的に一気に取り組むのではなく、将来を見据えて長期的に少しずつ取り組んでいくことが重要です。
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DX化やIT化には外部委託の活用が効率的
DX推進は、目的を明確化し、デジタル化などからスモールスタートすることが大切です。しかし、世の中のデジタル化のスピードは想像以上に速く、出遅れることによって競争に負けてしまうことも考えられます。DX化をより効率良く、スピーディーに進めたい場合もあるでしょう。社内でスピーディーにDX化を進めていくのは困難な場合は、外部委託の活用が効率的です。適切な方法・コストで、スピーディーにDX化が進められるでしょう。
まとめ
世の中がスピーディーにデジタル化していくなかで、企業もデジタル技術を活用し、ビジネスをどのように変革していくかを検討していかなければなりません。企業がDX化やIT化を推進するメリットをはじめ、具体的な手順を解説しました。ぜひ、参考にしてください。
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