ブリッジSE(BrSE)とは?依頼時の5つの見極めポイントや外注の費用相場も解説
目次[非表示]
- 1.ブリッジSE(BrSE)とは?
- 1.1.ブリッジSEが生まれた背景
- 1.2.ブリッジSEが果たす役割
- 2.ブリッジSEの主な仕事内容
- 2.1.オフショア開発企業に対するプロジェクトの説明
- 2.2.オフショア先エンジニア用の設計書における翻訳・補足
- 2.3.開発成果物の品質確認
- 2.4.日本企業側に対するオフショア開発の進捗・品質レポート
- 2.5.日本企業とオフショア開発企業間のミーティング設定
- 3.オフショア開発におけるブリッジSEの体制・配置
- 4.ブリッジSEの「失敗しない」見極め方ポイント5つ
- 4.1.言語力・コミュニケーションスキル
- 4.2.マネジメントスキル
- 4.3.システム開発スキル
- 4.4.プロジェクト実務経験
- 4.5.日本と海外の文化・商習慣に対する理解
- 5.ブリッジSEを外注した場合の費用相場
- 6.まとめ
ブリッジSE(BrSE)とは?
ブリッジSEとは、システムやソフトウェア開発を海外の企業や事業所に委託する「オフショア開発」において、プロジェクトをスムーズに進行させる「橋渡し」的な役割を担うシステムエンジニアです。「Bridge SE(BrSE)」と表記されることもあります。
オフショア開発は、システムやソフトウェア、スマートフォンアプリ、ソーシャルゲームの開発から運用・保守・管理を外注できる利便性の高い手法です。しかし、現地とのコミュニケーション問題を理由に、オフショア開発に失敗してしまうケースも少なくありません。
ブリッジSEには、チームとしての生産性向上・品質確保を担保すべく、自然言語の壁を排して情報の橋渡しをすることが求められます。
ブリッジSEが生まれた背景
ブリッジSEは、グローバル化が進むIT業界において誕生した比較的新しい職種です。
近年では、オンラインコミュニケーションを行える技術が発展してきていますが、言語や文化が異なる海外の国と開発を円滑に進行させるのは、依然として困難です。
そこで、オフショア開発を円滑かつ効率的に進行させるべく、開発スキルに加えて語学力やマネジメント能力を兼ね備えた「ブリッジSE」の存在が必要となります。グローバル化が進み、国境を超えたビジネスが当たり前となっている現在、ブリッジSEの重要性はますます高まっています。
ブリッジSEが果たす役割
ブリッジSEの役割をひとことで言えば、「オフショア開発プロジェクトをスムーズに進行させる橋渡し」です。
プロジェクト期間中、ブリッジSEは日本と相手国の開発チームとの方向性が合致するよう常に調整を行い、開発プロジェクトの成功を図ります。
ブリッジSEの主な仕事内容
ブリッジSEの業務内容は、業務委託先のメンバーに対するサポートや開発プロジェクト全体の管理など、多岐にわたります。本章では、ブリッジSEの主な仕事内容として5つをピックアップし、順番に解説します。
オフショア開発企業に対するプロジェクトの説明
オフショア開発を手掛ける企業は海外にあり、国内企業とは言葉や文化が異なることから、開発を進行させるうえではさまざまな調整が求められます。開発をスムーズに進めるには、担当エンジニアの変更や納期の延長といったトラブルが生じた際の対応方法も、あらかじめ綿密に取り決めておくことが大切です。
オフショア先エンジニア用の設計書における翻訳・補足
現地のエンジニアが理解しやすいよう設計書を翻訳したり、内容を捕捉したりすることも、ブリッジSEの仕事です。開発現場の専門用語などは、正確に相手に意味が伝わるよう翻訳しなければなりません。そのため、ブリッジSEには優れた語学力とIT技術の知見が必要不可欠です。
仮に設計書の解釈に齟齬があれば、プロジェクト進行の遅延につながります。設計書の翻訳および補足の作業は、開発の円滑な進行のためにも重要です。
開発成果物の品質確認
ブリッジSEは、オフショア開発企業から受け取った成果物の品質チェックも担当します。「プログラムにバグはないか」「システムの要求する機能が正確に実装できているか」といった視点から、厳しくチェックしなければなりません。
不適切な箇所が見つかった場合は、オフショア開発企業のエンジニアに対して、不備の内容や原因などを伝えてフィードバックをします。修正依頼をする際も、オフショア開発企業との信頼関係を壊さないよう、丁寧かつ誠実にコミュニケーションを心がける必要があります。
日本企業側に対するオフショア開発の進捗・品質レポート
オフショア開発企業は海外にあり、日本と物理的に距離があります。こうした状況下で成果物の品質を保つために、ブリッジSEはチャットやテレビ電話などでオフショア開発企業のエンジニアから進捗・品質の説明を受け、それを日本企業側に報告します。
上記のようなやり取りには大きな手間がかかりますが、現地の企業に任せきりにしてしまうと低品質な成果物を納品される可能性があるため、ブリッジSEに報告業務を担当させましょう。
日本企業とオフショア開発企業間のミーティング設定
日本企業とオフショア開発企業との間で行うミーティングのセッティングも、ブリッジSEが担います。
海外のエンジニアとのミーティングでは、言葉の意味の取り違いや解釈の齟齬が生じるおそれがあります。
コミュニケーション上のミスを回避するため、ミーティングが大切となります。
オフショア開発におけるブリッジSEの体制・配置
ブリッジSEの体制・配置には複数のシチュエーションがあり、それぞれ異なる特徴があります。本章では、代表的な3つのシチュエーションをピックアップし、それぞれの特徴や動向を解説します。
オフショア開発企業の人材が現地でブリッジSEを担う場合
現地に常駐している日本人エンジニア、もしくは現地人のエンジニアが、そのまま現地でブリッジSEを担います。
日本人がブリッジSEを担当する場合、日本人同士でやり取りし、プロジェクトを進行させられます。そのため、国内企業に開発を依頼するケースとそれほど変わらず、スムーズに開発を進められる可能性が高いです。
ただし、日本人エンジニアは単価が高い傾向があるため、コストメリットを追求したい場合は注意が必要です。
オフショア開発企業の人材が日本国内でブリッジSEを担う場合
現地に常駐している日本人エンジニア、もしくは現地人のエンジニアが、ブリッジSEとして日本国内に常駐することもあります。
昨今は日本に窓口となる法人を構えるオフショア開発企業が増えており、この形態で開発を進めるケースが多いです。
スピーディーなレスポンスや対応が見込めますが、国内での稼働が発生することから、コストが高くなる可能性があります。
委託元企業の人材が日本国内でブリッジSEを担う場合
委託元である日本企業の人材がブリッジSEとして、現地エンジニアに指示をしながら開発を進めます。
開発費用は大幅に削減できますが、現地エンジニアのマネジメントや、コミュニケーション面での負担が大きいです。オフショア開発の経験が豊富なブリッジSEでなければ、難しい開発体制だといえます。
ブリッジSEの「失敗しない」見極め方ポイント5つ
ブリッジSEの担う仕事内容は、重要かつ多岐にわたります。ブリッジSEの能力次第で、プロジェクトの成果が左右されてしまうことも珍しくありません。
実際に多くの日本企業が、オフショア開発における失敗要因として、ブリッジSEの能力不足を挙げています。本章では、ブリッジSEの失敗しない見極め方法について、代表的な5つのポイントを解説します。
言語力・コミュニケーションスキル
当然ながら、ブリッジSEには優れた語学スキルが求められます。一般的な基準としては、TOEIC700点以上が目安と考えられています。日常会話に加え、システム開発の現場で使用される英語をマスターしていることが大切です。また、片言であっても現地の言葉をマスターしている人材を選ぶと、オフショアチームとのコミュニケーションをスムーズに進められます。
ブリッジSEは、オフショア開発企業のメンバーと円滑に交流し、品質や進捗を管理する必要があります。オフショア開発企業のメンバーと良好な人間関係を構築できるコミュニケーションスキルがあるかも確認しましょう。
マネジメントスキル
ブリッジSEには、オフショア開発企業のプロジェクトマネージャーとして、日本側のプロジェクトマネージャーと連携・協力し、オフショアチームをマネジメントしていくスキルが求められます。
国内外のエンジニアの橋渡しをしつつ、プロジェクト全体を管理できる人材を選びましょう。
システム開発スキル
ブリッジSEは、現地のエンジニアに仕事の依頼や説明、設計書の翻訳および補足をします。システム開発に精通していないと、専門性の高い内容を現地スタッフに正確に伝えられません。
ブリッジSEはさまざまなプロジェクトに対応するため、システム開発に関する幅広い知識・スキルを持った人材かどうか見極めることが大切です。
プロジェクト実務経験
ブリッジSEとしての仕事を全うするためには、開発スキルだけでなく、開発プロジェクトの実務に携わった経験も求められます。実務経験とは、具体的には下記のようなものが挙げられます。
- 開発プロジェクトに参画した経験
- TL・PL・PMなどのマネジメント経験
- 顧客との折衝経験など
ブリッジSEを選ぶ際は、上記の経験をもっているかどうかも見極めましょう。
日本と海外の文化・商習慣に対する理解
コミュニケーション上のトラブルを回避し、オフショア開発をスムーズに進行させるためには、現地の文化や商慣習に対する理解を持ったブリッジSEの存在が重要です。
文化や商慣習の違いは、実際に現地の滞在経験がないと実感できないこともあります。日本および現地の両国での滞在経験や就労経験がある人材であれば、文化や考え方の違いを肌で感じているため、ブリッジSEに適しています。
具体的にいうと、日本に滞在・就労経験のある現地人エンジニアや、反対に現地に滞在・就労経験のある日本人エンジニアなどは、ブリッジSEを任せるのに適した人材として挙げられるでしょう。
また、現地のオフショア開発企業の事情に精通する人材をブリッジSEに採用できれば、顧客への提案や現地スタッフの教育をしやすくなります。
ブリッジSEを外注した場合の費用相場
ブリッジSEの外注費用を把握するために、ここではブリッジSEの人月単価を紹介します。ブリッジSEの人月単価は、一般的なエンジニアの人月単価に対して+20%~40%程度が目安とされています。
参考情報として、「オフショア開発白書 2022年版」から、日本企業が各国に対してオフショア開発を委託した際のブリッジSEの人月単価を下表にまとめました。
国名 |
ブリッジSEの人月単価(万円) |
中国 |
84.78 |
ベトナム |
51.34 |
フィリピン |
71.07 |
ミャンマー |
48.59 |
バングラデシュ |
69.64 |
インド |
67.97 |
ブリッジSEの外注費用の相場を確認したうえで、オフショア開発先の国を検討するとよいでしょう。
まとめ
ブリッジSEは、オフショア開発において、プロジェクトをスムーズに進行させるために橋渡しをするシステムエンジニアです。
ブリッジSEの業務内容は、業務委託先のメンバーに対するサポートや開発プロジェクト全体の管理など、多岐にわたります。そのため、言語力やコミュニケーションスキル、マネジメントスキルに加えて、プロジェクト実務経験などのある人材をブリッジSEとすることが大切です。
ブリッジSEの採用を成功させ、オフショア開発をスムーズに進めたい場合は、実績の多い会社にご相談ください。
▼オフショア開発ならコウェル!▼
「どこの海外の開発会社にオフショア開発を依頼すればいいのだろう…」
このようにお悩みであれば、「コウェル」がおすすめです。
「コウェル」はベトナムと日本に拠点を置いており、高品質なオフショア開発サービスを提供しています。
コスト・スピード・品質には自信があり、国内大手企業様からも開発依頼を多くいただいています。
開発実績としてはWebシステムの開発や業務システム・越境EC開発などが豊富です。
さまざまなニーズに応えた実績もあり、経験豊富なソフトウェア開発会社です。
「なるべくコストを抑えてソフトウェアを開発したい」
「納期が短いから国内のエンジニアだけでは難しい」
このようなお悩みがあれば、オフショア開発を検討してみてはいかがでしょうか。
またベトナム開発チームの多くはハノイ工科大学の卒業生であり、ベトナム屈指の技術系大学を卒業したエンジニアを中心に採用しています。
高い技術力を備えたエンジニアが豊富なため、高品質なオフショア開発をお求めであれば、ぜひ「コウェル」までご相談ください。
■関連記事:
なお、コウェルに関する詳細資料は以下でダウンロードすることが可能です。
このほか、弊社の具体的なサービスや導入事例については以下をご覧ください。
▼コウェルのサービスメニュー>>>
コウェルは、日本とベトナムから世界中のお客さまへ高品質なソフトウェアテスト・品質保証・オフショア開発サービスを提供しています。
▼コウェルの導入事例>>>
コウェルは情報通信、金融、流通・小売サービス、医療・ヘルスケアなど、さまざまな業界のお客様の導入を支援しています。
▼オフショア開発については、下記の記事もぜひ参考にしてみてください。
→オフショア開発でベトナムが選ばれる理由7選!ベトナムのオフショア開発の現状も解説