業務システムとは?種類から導入事例、3つのメリット・外注のポイントまで解説
目次[非表示]
- 1.業務システムとは
- 1.1.業務システムの種類
- 2.業務システムと他のシステムの違い
- 2.1.業務システムと基幹システムの違い
- 2.2.業務システムと情報系システムの違い
- 2.3.業務システムとERPの違い
- 3.業務システムを導入する3つのメリット
- 3.1.①業務を効率化できる
- 3.2.②管理データの品質維持につながる
- 3.3.③障害時の復旧・メンテナンスの影響範囲を狭められる
- 4.業務システムを導入するデメリット
- 4.1.導入に大きな手間・工数がかかる
- 4.2.事故・不具合のリスクが伴う
- 5.業務システムの導入事例
- 5.1.会計管理システムの導入事例
- 5.2.生産管理システムの導入事例
- 5.3.品質管理システムの導入事例
- 5.4.顧客管理システムの導入事例
- 5.5.販売管理システムの導入事例
- 5.6.営業管理システムの導入事例
- 5.7.人事管理システムの導入事例
- 5.8.勤怠管理システムの導入事例
- 6.業務システムの導入方法
- 6.1.業務システムを業務パッケージ製品で導入
- 6.2.業務システムをERP製品で導入
- 6.3.業務システムをスクラッチ開発で導入
- 6.4.業務システムをフレームワーク開発で適用
- 6.5.Accessを利用した業務システムを小規模開発
- 7.業務システム導入を外注する際のポイント・注意点
- 7.1.現状の課題と目標を洗い出しておく
- 7.2.予算や納期を定める
- 7.3.概算見積もり、詳細見積もりの2段階で相談する
- 8.まとめ
業務システムとは
業務システムとは、特定の業務や目的のために使うことを想定した情報システムです。
「会計管理システム」のように、特定の業務や目的の対象名を冠したシステムが多く見られます。
「システムを導入したいけど、そもそもどんな種類のものがあるのか」「業務システムってどこまでの範囲を指すか?」「社内に開発チームがないので業務システムを外注する場合はそうすれば?」などなど、これから業務システムの検討を始める、あるいは既存システムの見直しを迫られている方がこのページにたどり着いているのではないでしょうか。
ここでは、業務システムの開発の発注をご検討されている方に向けて、業務システムとは何か代表的な業務システムに関して解説します。
業務システムの種類
ひとことに業務システムといっても、実に多くの種類の業務システムが存在しています。 その中でも代表的な業務システムと主な特徴を下表にまとめました。
種類 |
特徴 |
会計管理 |
企業における会計処理を行ううえで役立つ。 帳票作成・キャッシュフロー管理・財務諸表作成などを円滑化できる。 |
販売管理 |
商品の注文から出荷・請求などの流れを管理できる。(例:POS(Point Of Sales)システムや、ECサイトなど) 棚卸をはじめ労力のかかる作業にも活用でき、販売管理の工数を減らして業務の効率化が図れる。その他、資材や製品の在庫に関するデータを管理する「在庫管理システム」では社内の製品の原材料となる資材や、製造中の仕掛品や完成済の製品などの状態や数量データなどを取り扱う。 |
生産管理 |
特に製造業で活用されることが多く、製品などの生産に関するデータを管理する。自社製品の性質・コストの管理や人員配置の管理をおこなえる。歩留まりなどの品質データや、原価や製造のコストのデータ、納期などの生産計画などの情報を取り扱う。 |
人事管理 |
業界を問わず多くの企業の人事部門で導入されている。 社員の個人情報・給与・年金情報などを一元管理でき、人事部の業務効率化につながる。また、社員の申請や届出を管理するシステム「申請管理システム(ワークフローシステム)」で効率的な承認フローが可能になる。 |
勤怠管理 |
社員一人ひとりの勤怠状況を確認できる。労務・経理・会計観点から業務効率化が可能。会社全体の残業過多を防げるため、人員の労働管理にもつながる |
営業管理 |
企業における営業活動をサポートするシステム。 日報作成・顧客リストの管理・訪問スケジュールなどを一元管理でき、営業員のスムーズな活動につながる。 |
顧客管理 |
顧客情報を一括管理できます。 メルマガ配信をはじめとするマーケティング活動と直結でき、顧客とのコミュニケーションの円滑化につながる。 |
業務システムと他のシステムの違い
業務システムと名称や性質が類似するシステムに、基幹システム・情報系システム・ERPなどがあります。業務システムを広義に捉えれば、これら3つはいずれも業務システムに含まれるものの、それぞれ異なる特徴があるため要注意です。
本章では、これらのシステムと業務システムとの違いを解説します。
業務システムと基幹システムの違い
基幹システムとは、企業の存続に必要不可欠な業務に用いられるシステムのことです。別名「基幹業務システム」とも呼ばれています。
基幹システムは企業の大きな骨組みとして機能するものであり、企業経営にとって欠かせません。業務システムと基幹システムの違いは、「経営活動に直結するかどうか」にあります。
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業務システムと情報系システムの違い
情報系システムとは、業務システムのうち、チャットツール・社内SNS・グループウェアといった社内外の情報共有や、コミュニケーションに使用されるシステムのことです。
情報系システムと業務システムは、業務を効率化・円滑化する点において特徴が共通しています。
業務システムとERPの違い
ERP(Enterprise Resources Planning)とは、基幹システムや情報系システムなど複数の業務システムを統合し、単一のデータベースで一元管理するためのシステムです。基幹業務を一元管理することで、適切な経営判断につなげられます。
ERPは統合的なシステムであるのに対して、業務システムは個別のシステムをさすことが多い点に相違点があります。
業務システムを導入する3つのメリット
基本情報を解説したところで、本章では業務システムを導入するメリットとして代表的な3点を解説します。
①業務を効率化できる
正確でスピーディな事務処理が可能となり人的ミスの発生も防げる点が、業務システムを導入するメリットの一つです。また、紙の資料を保管しておくスペースの節約にもつながります。
業務システムの構築では対象となる業務に合わせて独自のシステムをゼロから作る場合が多く、オーダーメイドで自社業務に適したシステムを構築可能な点もメリットです。
②管理データの品質維持につながる
業務に関するデータを紙ベースや複数のアプリケーションで管理していると、最新のデータを素早く見つけ出すことが困難になります。
そこで業務システムを導入すれば、業務システム内でデータを一元管理でき、メンバー間で同じデータを共有することが可能です。一元管理により、データクレンジングも行いやすくなり、データの品質維持につながります。
③障害時の復旧・メンテナンスの影響範囲を狭められる
基幹システムでは、主要業務を担うさまざまな機能が、一つのシステムに搭載されています。そのため、一部の機能に不具合が生じてシステムが停止すると、関連する大部分の業務や、企業活動の根幹を成す主要業務が停止する可能性が高いです。
一方で業務システムを個別に導入した場合、不具合の発生時やメンテナンスの実施時に、システム停止の影響範囲を該当の業務システムを利用するメンバーに限定できます。
業務システムを導入するデメリット
業務システムを導入する際は、以下のようなデメリットが発生することもあります。
導入に大きな手間・工数がかかる
業務システムは、企業・部署の規模が大きいほど導入に多くの手間・工数がかかります。たとえ業務システムの導入に成功しても、従業員がシステムを使いこなせなければ、業務効率化や管理データの品質維持などは期待できません。
事故・不具合のリスクが伴う
不具合や事故によって業務システムそのものが稼働しなくなるリスクはゼロではありません。万が一の際に業務が滞ってしまえば、結果的に損害を被るおそれがあります。業務システムへの依存度が高いほど、不測の事態に対するリスクも高まることを認識しておきましょう。
業務システムの導入事例
本章では、業務システムの種類ごとに導入事例を紹介します。
会計管理システムの導入事例
会計管理システムの導入によって、自動作成などの機能により、データ入力で帳票やグラフを作成でき、税率や税制改正があった場合でも、システムに設定している数値を変更するだけで対応が可能です。よって以下のような効果を得ている企業があります。
- 生産性や入力データの正確性が向上した
- 取引先・事業部が増加しているにもかかわらず、労働時間を抑えられた
生産管理システムの導入事例
生産管理システムを導入した企業では、特に製造業における「モノと情報の流れ」を総合的に管理し、生産における業務フローを最適化します。それにより以下のような効果を得ています。
- 商品や取引先ごとに単価設定したことで管理を効率化できた
- 日々の納品目標を達成できるようになった
品質管理システムの導入事例
品質管理システムを導入したことで、以下のような効果を得ている企業があります。
- 検査員による誤差を低減し、品質チェック業務の省力化につながった
- 不具合の発生原因の調査が容易になった
顧客管理システムの導入事例
顧客管理システムを導入した企業が得ている効果の事例は以下のとおりです。
- キャンペーン情報やお知らせなどのメールを一括送信できるようになり、業務の効率化やリピート購入の増加につながった
販売管理システムの導入事例
販売管理システムの導入によって、データ入力の回数やミスを減らすことができ、業務効率化を図りながら、将来の売上予測を立てるなど総コスト削減にも貢献できます。そのため以下のような効果を得ている企業があります。
- 正確な在庫管理から、計画的でロスの少ない生産計画の策定につながった
- 顧客からの問い合わせに対して、システムデータの確認を確認し、最新状況をスムーズに伝えられるようになった
営業管理システムの導入事例
営業管理システム(SFA(セールス・フォース・オートメーション))を導入した企業では、営業活動に関する情報を集約でき、マネジメント責任者にとっても営業部門全体の案件管理の把握や自社の営業ノウハウ活用を促進できるようになり、以下のような効果を得ています。
- 営業活動を可視化し、各営業プロセスにおける活動の最適化につながった
- 営業活動を効率化し残業時間の削減につながった
人事管理システムの導入事例
人事管理システムを導入したことで、以下のような効果を得ている企業があります。
- 業務の省力化により人事評価業務にかけていた時間を半分以下に削減できた
勤怠管理システムの導入事例
勤怠管理システムを導入した企業が得ている効果の事例は以下のとおりです。
- 給与計算の省力化や残業時間の抑制につながった
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業務システムの導入方法
業務システムの導入方法は、大きく分けると、自社で開発するか既製品を購入するかの2通りです。
業務システムの導入方法としては、主に以下5つの選択肢があります。それぞれの特徴を把握し、自社にとって適した導入方法を選びましょう。
業務システムを業務パッケージ製品で導入
開発会社が作ったパッケージ製品を購入する形式です。標準的なシステム一式をまとめて購入するため、比較的短期間で導入できます。
また、カスタマイズや開発を実施しない分、費用を安価に抑えられます。カスタマイズできないため、会計管理・勤怠管理・給与計算といった標準的な業務に適した導入方法です。
オンラインショップの販売・会計業務など、独自システムでは、高額なカスタマイズコスト、保守要員の確保に課題感がある場合など、コストを抑えながら最大の効果が得られる例もあります。
業務システムをERP製品で導入
ERPを実現するための機能が備わったERP製品を購入する形式です。ERP製品を導入すると、会計管理システムや販売管理システム・在庫購買管理システムなどを統合データベースで一元化できます。
ERP製品には、情報の一元化を実現するために、部門をまたいだ情報共有や、業務連携の強化を行う機能が搭載されている点が特徴的です。
ECサイトなど変動し続けるビジネス環境への対応として、販売チャネルの多様化、業務の拡張性、変化への対応を考え、スピーディーな導入が可能なERPを選定する例もあります。
業務システムをスクラッチ開発で導入
スクラッチ開発により、自社専用の業務システムをオーダーメイドで作成する形式です。最も自由にカスタマイズでき、既存業務に最適化したシステムを構築できるため、システムに合わせて自社の業務を変える必要がありません。
既存業務に沿ったシステムを開発することで、現場への負担を抑えながらシステムの入れ替え、複数に分離したデータベースの統合など、スクラッチ開発ならではの、自由度の高い業務システムを実現している例もあります。
業務システムをフレームワーク開発で適用
フレームワークと呼ばれる雛形をもとに、自社専用の業務システムを作る方法です。基礎がある状態で開発を開始できるため、ゼロから開発する場合よりもかかる費用・時間を抑えられます。自社の事業内容に合うよう、ある程度自由にカスタマイズできる点も魅力です。
製造業など幅広い業務範囲を担うシステムを構築するには、既存パッケージやERPが適当だとは限らず、フレームワークを活用することで、高い自由度・幅広い業務範囲を確保しながら、コストを抑えた開発を実現した例もあります。
Accessを利用した業務システムを小規模開発
Accessを利用した小規模開発では、業務システムを簡単かつスピーディーに構築できます。
Accessには、バックエンドとしてのDBMSはもちろん、インターフェースとなるフロントエンド機能が用意されています。システム開発の土台となるフロントエンド機能が用意されているため、一般的なシステム開発よりも工数や費用、開発期間を大幅に削減可能です。
そのほか、機能の拡張やカスタマイズの自由度が高い点も、Accessによる開発の特徴です。Accessを最大限活かすには、短納期、低予算なシステム開発を実現するため、要件定義で機能を絞り込み、利用シーンも限定すると良いでしょう。
業務システム導入を外注する際のポイント・注意点
最後に、業務システムの導入を外注する際に把握しておくべきポイント・注意点として以下の3つを解説します。
現状の課題と目標を洗い出しておく
業務システム導入について開発会社に打診する前に、現状の課題と目標を洗い出しましょう。
「〇〇の管理を効率化したい」といった単純な要望のみでは、開発会社としても「どのような業務システムを構築すればよいのか」「どのように既存製品をカスタマイズすればよいのか」判断できません。
現状の課題と目標が明確化していれば、開発会社は構築方法を含めた適切な提案をおこなえるようになります。
予算や納期を定める
業務システムにかける予算とサービスインから逆算した納期を大まかに定めておくことも大切です。
業務システムの開発予算は企業規模・搭載機能により変動しますが、年間売上高・年商の10%程度を投資分として割り当てることが多いです。おおよその希望時期を定め、コストとのバランスで調整できるようにしておくと、導入がスムーズに進みやすくなります。
概算見積もり、詳細見積もりの2段階で相談する
業務システムのような大規模開発の場合、要件を定義書にまとめるだけでも費用が発生することがあります。無駄なコストの発生を避けるためにも、概算見積もりと詳細見積もりの2段階で開発会社と相談しましょう。
詳細な現状課題・ゴールや予算、納期が定まっていれば、開発会社は概算見積もりを出しやすくなります。ある程度の費用が判明したタイミングで、開発を進めるか、手法を変更するか判断し、あらためて詳細見積もりの依頼を検討すると無駄なコストをかけずに済みます。
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まとめ
業務システムの種類、導入例や外注をする際のポイントについて解説、紹介しました。
業務システム・基幹システム・ERPなど、一見すると煩雑なイメージはありますが、業務システムの役割は、業務を効率化・円滑化することです。
業務システムには、会計管理システムや生産管理システム、販売管理システムなど、さまざまな種類がありますが、実際にどのように開発するか?構築するか?よりも、現場で使う人が『使いやすい』ことこそが業務システムの導入の要かもしれません。
それを実現するには、業務の洗い出し・ゴールを含めた事前準備をしっかりと行い、開発を含めた業務システム導入には、開発会社に任せてしまうのも選択肢の一つです。
ぜひこの機会に自分の会社に業務システムは必要か、導入するならどのような種類のシステムが良いかなどを検討してみてください。
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