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W字モデル徹底解説!W字モデルで開発効率と品質を両立する方法

W字モデルは、ソフトウェア開発において効率と品質を両立させるための手法です。本記事では、W字モデルの基本的な特徴から、他の開発モデルとの違い、工程と効果、さらにはメリットとデメリットについて詳しく解説します。
 
成功事例と失敗事例を通じて、W字モデルがどのようにプロジェクトに影響を与えるのかを明らかにします。また、アジャイル開発との比較やプロジェクト規模に応じた選定方法も紹介します。この記事を読むことで、W字モデルを効果的に活用するための知識と洞察を得られるでしょう。

目次[非表示]

  1. 1.W字モデルの基本と特徴
    1. 1.1.W字モデルの概要
    2. 1.2.V字モデルとの違い
  2. 2.W字モデルの工程と効果
    1. 2.1.開発工程とテスト工程の一体化
    2. 2.2.開発効率と品質の向上
  3. 3.W字モデルのメリットとデメリット
    1. 3.1.開発とテストの並行性
    2. 3.2.上流工程での不具合検知
      1. 3.2.1.導入の障壁
      2. 3.2.2.費用対効果
  4. 4.W字モデルの実践と事例
    1. 4.1.成功事例とその要因
    2. 4.2.失敗事例とその教訓
  5. 5.W字モデルと他の開発手法の比較
    1. 5.1.アジャイル開発との違い
    2. 5.2.プロジェクト規模と目的に応じた効果的な選定
  6. 6.まとめ

W字モデルの基本と特徴

W字モデルはソフトウェア開発で効率と品質を高める手法です。この部分では、W字モデルの基本的な概念と、V字モデルなど他の開発モデルとの違いに焦点を当てて解説します。


W字モデルの概要

W字モデルはソフトウェア開発のプロセスモデルで、V字モデルを進化させた形です。
 
W字モデルの特徴は以下の通りです。

  • 開発とテストを並行実施
  • 要求定義や設計段階からテスト設計開始
  • 早期の要求漏れや設計ミスの発見
  • テスト担当者のレビュー参加
  • 開発者とテスト担当者の協力

 
このモデルの利点は、開発とテストの密接な連携により、修正が少なく品質の高い製品を効率よく開発できることです。ただし、テスト担当者の高いスキルと経験が求められる点が欠点です。
 
V字モデルと比較して、工程が並行するためプロジェクト管理が複雑になる可能性があります。そのため、W字モデルを導入する際には、プロセスと体制の見直しが必要です。


V字モデルとの違い

以下の表にV字モデルとW字モデルの違いを整理しました。


項目

V字モデル

W字モデル

テストのタイミング

開発後のテストフェーズで検証

開発フェーズ内でもテストを実施

実施の順序

開発とテストが順次実施

開発とテストが並行して実施

テスト設計の開始

開発終了後にテスト着手

開発初期からテスト設計を開始

フェーズの連携

開発とテストが別々のフェーズ

開発とテストが連携したフェーズ


W字モデルは開発とテストの連携を強化し、品質向上と手戻り削減が期待できます。しかし、プロジェクト管理が複雑になる可能性もあります。


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W字モデルの工程と効果

W字モデルの工程と効果について、開発工程とテスト工程の一体化、さらには開発効率と品質の向上に焦点を当てます。開発とテストが密接に連携することで、どのようにプロジェクト全体がスムーズに進行し、最終的な製品品質が向上するのかを解説します。


開発工程とテスト工程の一体化

W字モデルでは、開発工程とテスト工程を並行して進めることが大きな特徴です。
 
具体的には以下のようなメリットがあります。

  • 開発工程とテスト工程が並行するため、開発途中の成果物を随時テストできる
  • 設計段階の矛盾などを早期に発見できる
  • テスト工程で発見された不具合は開発工程にフィードバックできるため、手戻りを減らせる
  • 開発者とテスト担当者のコミュニケーションが円滑になり、品質向上につながる
  • リリースまでのリードタイムを短縮できる可能性がある

 
一方で、並行作業の管理が難しくなることや、テスト素材の作成が開発よりも早期に必要になるといったデメリットもあるため、プロジェクトの状況に合わせて活用する必要があります。
 
要件定義からテストまで一貫した品質保証活動を行いたい場合には、W字モデルの採用が有効と考えられます。


開発効率と品質の向上

W字モデルは、開発効率と品質の向上の両面でメリットがあります。
 
開発効率の向上については、開発工程とテスト工程を並行して進めることで、要件定義段階や設計段階で発見された問題点を早期にフィードバックでき、手戻り作業を減らすことができます。テストの視点を取り入れた品質検証が可能となるため、後工程で発生する不具合を未然に防ぐことができます。
 
品質の向上については、要件定義段階からテスト設計を開始することで、設計段階の矛盾点や欠陥を早期に発見できます。開発者とテスターが密にコミュニケーションを取ることで、品質に対する意識が向上します。また、テスト結果を開発工程にフィードバックすることで、品質改善活動を継続的に行うことができます。
 
一方で、テスト環境作成の前倒しや並行作業の管理コストが発生することに留意が必要です。プロジェクトの状況に合わせて、W字モデルのメリットを最大限に活用する運用が重要だと考えられます。


内製化人材採用


W字モデルのメリットとデメリット

W字モデルのメリットとデメリットについて詳細に説明するこの部分では、開発とテストの並行性や上流工程での不具合検知に特に注目します。さらに、導入における障壁や費用対効果についても考察します。


開発とテストの並行性

W字モデルは、開発工程とテスト工程を並行して進めることが大きな特徴であり、開発効率と品質の向上に寄与します。以下に、W字モデルのメリットとデメリットを解説します。


W字モデルメリット

説明

①早期のテスト設計

開発の上流工程からテスト設計を開始し、要件定義段階からテスト視点を取り入れることができる

②早期の問題発見

開発途中の成果物を随時テストし、設計段階の矛盾などを早期に発見できる

③手戻りの削減

テストで発見された不具合を開発にフィードバックし、手戻りを減らせる

④コミュニケーションの円滑化

開発者とテスト担当者のコミュニケーションが円滑になり、品質向上につながる

⑤リリースまでの時間短縮

リリースまでのリードタイムを短縮できる可能性がある


W字モデルデメリット

説明

並行作業の管理の難しさ

並行作業の管理が難しくなることがある

開発リソースの調整が必要

テスト素材の作成が開発よりも早期に必要になるため、開発リソースの調整が必要


W字モデルは開発効率と品質の向上に寄与しますが、並行作業の管理やテスト素材作成の前倒しには注意が必要です。プロジェクトの状況に応じて、W字モデルのメリットを最大限に活用する運用が重要です。


上流工程での不具合検知

W字モデルでは、上流工程からテスト設計を開始し、開発プロセスとテストプロセスを同時併行に進めることが特徴です。これにより、上流工程での品質向上が期待できますが、テスト素材の作成前倒しやテストエンジニアのスキルを考慮する必要があります。


導入の障壁

W字モデルの上流工程での障壁は主に二つあります。
 
一つは不具合検知の難しさで、これは経験豊富なテストエンジニアが必要です。実物がない段階で設計の問題を見つけ、開発チームにフィードバックするスキルが求められます。
 
もう一つは手戻りの問題です。W字モデルを導入する際、開発チームが十分な分析をせずに進めると、手戻りが発生する可能性が高まります。特に不具合検知の難しさが最も重要な障壁であり、これを克服することで品質向上と手戻りの削減が期待できます。


費用対効果

W字モデルの上流工程での不具合検知は、費用対効果が高いとされています。特に、不具合を未然に防ぐ予防コストは、修正コストよりも効果的です。また、上流での品質向上により、後工程での手戻りや工数が削減できます。
 
ただし、その効果はテストエンジニアのスキルと開発プロセスの現状分析に依存します。技術力が不足しているテストエンジニアが担当すると、モデルの効果が低くなる可能性があります。また、現状分析が不十分な場合、期待する効果は得られません。


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W字モデルの実践と事例

W字モデルの実践と事例に焦点を当てるこの部分では、成功事例とその背後にある要因、さらには失敗事例とそこから得られる教訓を詳細に解説します。実際のプロジェクトでの適用例を通じて、W字モデルの有効性とリスクを明らかにし、その実用性を評価します。この情報は、W字モデルを採用する際の具体的な指針として役立つでしょう。


成功事例とその要因

W字モデルの成功事例では、テストシナリオを要件定義と同時に作成したプロジェクトがあります。このアプローチにより、顧客の完成イメージが明確になり、品質が向上しました。成功の要因は主に三つです。

  1. 要件定義段階からテスト設計を始めたため、早期に設計の問題を発見しました。
  2. 開発とテストが並行して行われたので、途中で問題点を特定し、手戻りを減らしました。
  3. 開発者とテスト担当者の良好なコミュニケーションが品質向上に寄与しました。

 
このように、W字モデルの適切な導入と運用は品質と効率の向上につながります。ただし、プロジェクトや参加者の状況によっては導入が難しい場合もあり、チームのスキルも考慮する必要があります。


失敗事例とその教訓

W字モデルの導入でよくある失敗事例は以下の通りです。

  1. 形式的な進行
    W字モデルを単にフローに沿って進めるだけでは効果がありません。テスト担当者が設計段階からしっかり関与し、内容を検討する必要があります。

  2.  テストエンジニアのスキル不足
    高度なスキルと設計者とのコミュニケーション能力が必要です。スキル不足のメンバーがいると、効果を得られません。

  3.  開発メンバーの理解不足
    テスト結果を設計改善に活用する必要があります。理解が不足していると、テスト結果が無視され、効果が得られません。

  4.  テスト工数の過大評価
    プロジェクト規模に合わせた適切な工数設計が必要です。過大な工数設計は、スケジュールとコストに乖離を生むリスクがあります。

    導入に際しては、テストエンジニアのスキル確保、メンバー教育、工数設計など、プロジェクト状況に合わせた準備が必要です。形式的な導入を避けることがキーです。


オフショア開発


W字モデルと他の開発手法の比較

W字モデルと他の開発手法との比較を行うこの部分では、特にアジャイル開発との違い、そしてプロジェクト規模や目的に応じた効果的な手法の選定について詳しく解説します。
 
小規模から大規模までのプロジェクトで、どの開発手法が最も適しているのかを明らかにします。この情報は、開発手法の選定において、より総合的な視点で判断するための貴重な参考資料となるでしょう。



アジャイル開発との違い

W字モデルとアジャイル開発はソフトウェア開発で異なるアプローチを採ります。
 
W字モデルは開発とテストを並行して進め、早期のテスト準備と品質向上を目指します。しかし、テストチームの技術力が低いと導入が難しいです。
 
一方、アジャイル開発は短い期間でテストを繰り返し、スピーディーかつ柔軟な開発を行います。仕様変更や新機能の追加が頻繁なプロジェクトに適しています。
 
総じて、W字モデルは品質重視、アジャイル開発は柔軟性とスピードを重視します。選択はプロジェクトの要件とチームのスキルに依存します。


プロジェクト規模と目的に応じた効果的な選定

開発規模に合わせた開発手法の選択は重要です。
 
小規模開発にはアジャイルが適しており、柔軟な要件変更と密なコミュニケーションが可能です。プロトタイプ作成とテストが短期間で行えます。
 
大規模開発ではウォーターフォールが良い選択です。事前に要件を固定し、計画的に進められますが、要件変更は難しいです。
 
中規模開発にはW字モデルが適しています。ウォーターフォールの計画性とアジャイルの柔軟性を併せ持つハイブリッド手法です。
 
開発規模が大きくなるほど、柔軟性を犠牲にして計画性を高める手法が望ましいです。ただし、プロジェクトの状況に応じて最適な手法を選ぶ必要があります。



まとめ

この記事では、W字モデルについて多角的に解説しました。

  • W字モデルは開発とテストの工程を一体化し、効率と品質を両立させる手法です。V字モデルなど他の開発モデルと比較して、テスト工程がより強調されています。
  • 開発工程とテスト工程の一体化により、開発効率と品質が向上します。これにより、プロジェクト全体がスムーズに進行する可能性が高まります。
  • 開発とテストの並行性があり、上流工程での不具合検知が可能です。しかし、導入の障壁や費用対効果も考慮する必要があります。
  • 成功事例とその要因、失敗事例とその教訓を通じて、W字モデルの実用性を評価しました。
  • アジャイル開発との違いを明らかにし、プロジェクト規模と目的に応じた効果的な手法の選定方法も提供しました。

 
W字モデルの採用を検討する際には、総合的な視点で判断することが重要です。それにより、プロジェクトの成功確率を高めることができるでしょう。



オフショア開発会社のリソースをうまく活用する


日本国内で優秀なエンジニアを確保するのは時間や投資コストの面などでハードルが高いのも事実であり、システム開発、さらにはその先のDXで課題を抱えている企業のすべてに適用できるアプローチではありません。


このため、弊社コウェルをはじめ、ベトナムで多数エンジニアを抱えるオフショア開発会社をうまく使い分けながら、テストや開発を進めていく方法も有効な選択肢のひとつです。


実際にどのように開発を進めていくのかについては大きく分けて2パターンが存在します。ひとつは、仕様書をもとにオフショア開発会社が決められた期間までに所定の成果物を完成させる「受託開発型」、もう一つはオフショア開発会社に在籍するエンジニアの中から、指定のメンバーを「専属チーム」として組成し、各メンバーのスキルや経験に応じて決められた人月単価(月額料金)が発生する「ラボ型」です。


オフショア開発会社と組んで海外で開発を進める場合、仕様書などの要件定義はもちろんこと、異なる言語や文化に起因するコミュニケーションギャップが生じるのは避けて通れない課題と言えます。このため、自社のパートナーとして適切な開発会社を選定する上では、それらのコミュニケーションギャップをいかに埋めながら、プロジェクトを推進していくことができるかどうかを見極める視点が欠かせません。


コウェルでは日本語能力の高いベトナム人エンジニアがテストや開発に従事する体制を基本としています。加えて、日本のお客様とテスト・開発の現場をつなぐ役目を果たす日本人ブリッジSEも多数在籍しており、日本人とベトナム人のエンジニアが協力しながらプロジェクトを管理、運営することでコミュニケーションを円滑にし、高い品質を実現できる体制を構築しています。


なお、コウェルに関する詳細資料は以下でダウンロードすることが可能です。また、具体的なご相談がございましたら、以下のお問い合わせからもお気軽にご連絡ください。


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