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2024年速報)JSTQBが「Certified Tester Foundation Level (CTFL) v4.0」の日本語翻訳版をリリース。以前との違いや注目点は?


目次[非表示]

  1. 1.最新のJSTQB CTFL v4.0について
  2. 2.いつから適用される?
  3. 3.Foundation Levelシラバスのこれまでの改訂履歴は?
  4. 4.Foundation Level v4.0シラバスの構成について
  5. 5.全体を通しての変更点(まとめ)
  6. 6.各章の具体的な変更点
    1. 6.1.第 1 章(テストの基礎)の主な変更点
    2. 6.2.第 2 章(SDLC 全体を通してのテスト)の主な変更点
    3. 6.3.第 3 章(静的テスト)の主な変更点
    4. 6.4.第 4 章(テスト分析と設計)の主な変更点
    5. 6.5.第 5 章(テスト活動のマネジメント)の主な変更点
    6. 6.6.第 6 章(テストツール)の主な変更点
  7. 7.最後に)Foundation Level受験予定者に向けて

最新のJSTQB CTFL v4.0について

2024年の最新情報として、ソフトウェアテストの専門家の皆さんに朗報です。
ISTQBの日本における加盟組織であるJSTQBは、2023年9月にソフトウェアテストの基礎的な知識を認定する新たなスタンダードとしてCTFLのバージョン4.0である「Certified Tester Foundation Level (CTFL) v4.0」の日本語翻訳版をリリースしました。
このバージョンアップデートにより、ソフトウェアテストの基礎知識をさらに深めることができ、最新版シラバスは、従来の内容を大幅にアップデートし、最新のアジャイル開発手法を取り入れた包括的な内容となっています。
本記事ではFoundationLevelの資格取得を目指す方々に向けて、3.1からの変更点やCTFL v4.0の主な注目すべきポイントについて詳しく解説します。


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いつから適用される?

最新のシラバスの内容は2024年11月のFoundationLevel試験から適用される予定です。



Foundation Levelシラバスのこれまでの改訂履歴は?

これまでのFoundation Levelシラバスの改訂は下記のような流れで行われてきました。


  • 2018 年6 月4 日 ISTQB® 2018 公開
  • 2019 年3 月27 日 ISTQB® Version2018 日本語翻訳版 公開
  • 2019 年 11 月 11 日 ISTQB® 2018V3.1 公開
  • 2020 年6 月25 日 ISTQB® 2018v3.1 日本語翻訳版 公開
  • 2023 年4 月12 日 CTFL4.0 正式公開版
  • 2023 年9 月25 日 CTFL4.0 日本語翻訳版 公開 ← 今回説明の対象



Foundation Level v4.0シラバスの構成について

Foundation Levelシラバスv4.0は、主に下記の6章から構成されています。

  • 第1章 テストの基礎(Fundamentals of Testing)
  • 第2章 ソフトウェア開発ライフサイクル全体を通してのテスト(Testing Throughout the Software Development Lifecycle)
  • 第3章 静的テスト(Static Testing)
  • 第4章 テスト分析と設計(Test Analysis and Design)
  • 第5章 テスト活動のマネジメント(Managing the Test Activities)
  • 第6章 テストツール(Test Tools)
    ​​​​​​​

JSTQB新シラバスイメージ

(画像の参照元:https://www.istqb.org/certifications/certified-tester-foundation-level)



全体を通しての変更点(まとめ)


Foundation Levelシラバスv4.0は、Foundationのシラバスv3.1およびアジャイルテスト担当者シラバス2014を統合したメジャーアップデートが行われました。
これにより、アジャイル開発の要素が多く追加されています。また、シラバス全体のサイズダウンや、学習目標(LO)の数の見直しが行われ、内容がより精緻化されています。


リリースノートに記載されている全体的な修正はこちら↓


⚫ シラバス全体のサイズダウンをした。シラバスは教科書ではなく、ソフトウェアテストの入門コースにおいて、どのようなトピックをどのようなレベルで取り上げるべきかなど、基本的な要素をまとめたドキュメントである。したがって、特に次のように変更した。
 o 研修中に例題や練習問題を提供するのは、研修提供者の仕事であるため、ほとんどの例題をテキストから除外した。
 o KレベルごとにLOの最大ドキュメント量を提示している、「シラバス作成チェックリスト」に従った。(K1=最大 10 行、K2=最大 15 行、K3=最大 25 行)
⚫ Foundation v3.1.1、Agile v2014 のシラバスと比較して LO の数を削減した。
 o K1 の LO は、FLv3.1.1(15)、AT2014(6)の 21 に対し、14 となる。
 o K2 の LO は、FLv3.1.1(40)、AT2014(13)の53 に対し、42 となる。
 o K3 の LO は、FLv3.1.1(7)、AT2014(8)の 15 に対し、8 となる。



v4.0からLO(learning objectives、テストの目的)の数が見直され削減されています。
また、LOのKレベル※によりドキュメントの量も調整され、シラバスが全体的に簡略化されました。

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※(参考)Kレベルについて

  • レベル1:記憶レベル(K1)
    用語または概念を認識し、記憶して、想起することができる。
  • レベル2:理解レベル(K2)
    課題に関連する記述について理由または説明を選択することができ、テスト概念に関して要約、比較、分類、例の提示を行うことができる。
  • レベル3:適用レベル(K3)
    精通したタスクに直面した際にプロシジャーに沿って実施、もしくはプロシジャーを正しく選択することができ、それを特定の事例に適用することができる。

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各章の具体的な変更点


第 1 章(テストの基礎)の主な変更点

o テストスキルの節を拡大、改善した。
o チーム全体アプローチ(K1)の項を追加した。
o テストの独立性に関する節を、第5 章から第1 章に移行した。

第1章では、「1.5テストに必要不可欠なスキルとよい実践例」が大きく拡充されています。
ここでは、「テストに必要な汎用的スキル」「チーム全体アプローチ」「テストの独立性」といった内容について書かれており、特にテスト担当者に求められるスキルが『協調的なチームプレイヤーであること』が強調されています。



第 2 章(SDLC 全体を通してのテスト)の主な変更点


o 2.1.1 項、2.1.2 項の書き換えと改善、および対応する LO を変更した。
o テストファーストアプローチ(K1)、シフトレフト(K2)、ふりかえり(K2)といった実践例により焦点を当てた。
o DevOps のコンテキストにおけるテストに関する新しい項を追加した(K2)。
o 統合テストレベルをコンポーネント統合テストとシステム統合テストという 2 つのテストレベルに分割した。

第2章では、テスト駆動開発(TDD)、シフトレフト、ふりかえりといった活動についての記載の拡充がされています。また、DevOps とテストについて新しい項が作られ、詳しい説明がされています。


第 3 章(静的テスト)の主な変更点

o レビュー技法に関する節は、K3 のLO(レビュー技法を適用する)とともに削除した。


第3章では、下記のようなレビュー技法に関する項目が削除されています。

  • アドホック
  • チェックリストベース
  • シナリオとドライラン
  • パースペクティブベース
  • ロールベース

なお、削除されたのはレビュー技法だけで、レビュー種別は引き続き記載されています。


第 4 章(テスト分析と設計)の主な変更点

o ユースケーステストを削除した(ただし、Advanced Test Analyst のシラバスには掲載されている)。
o テストケース導出に ATDD を使用することに関する新しい K3 のLO と、ユーザーストーリーと受け入れ基準に関する2 つの新しい K2 の LO といった、テストのためのコラボレーションベースドアプローチにより焦点を当てた。
o デシジョンテストとカバレッジをブランチテストとカバレッジに置き換えた(最初に、ブランチカバレッジの方が実務でよく使われる;2 番目に、標準によって、「ブランチ」に対する「デシジョン」が異なっている;3 番目に、旧FL2018 の細かいが深刻な欠陥である「100%デシジョンカバレッジは 100%ステートメントカバレッジを意味する」-この文は、判定がないプログラムでは真実ではない、と主張していることを解決できる)。
o ホワイトボックステストの価値に関する項を改善した。


第4章では、高度な内容の記載が削除されています。
コラボレーションベースのテストアプローチで、受け入れテスト駆動開発(ATDD)、ユーザーストーリー、受入基準といったことをテスト設計で活用していくという趣旨の説明が追加になっています。
また、「ホワイトボックステストの価値」の項が追加され、ホワイトボックステストの強み、弱みへの記載に変更されました。


第 5 章(テスト活動のマネジメント)の主な変更点

o テスト戦略/アプローチに関する節を削除した。
o テスト工数を見積もるための見積り技法に関する新しい K3 の LO を追加した。
o イテレーションとリリース計画(K1)、テストピラミッド(K1)、テスト四象限限(K2)といったテストマネジメントにおけるよく知られたアジャイル関連の概念とツールにより焦点を当てた。
o リスクマネジメントの節は、リスク識別、リスクアセスメント、リスク軽減、リスクモニタリングの 4 つの主要な活動を説明することで、よりよい構成とした。


第5章も高度な内容の記載が削除されています。
見積もり技法がK3レベル(単に知ってるだけでなく、実際に適用できるレベル)に変更されました。
テストピラミッドやテストの四象限といったことについて、より詳しく記述されるようになりました。


第 6 章(テストツール)の主な変更点

o いくつかのテスト自動化に関する論点の内容は、foundation level では高度すぎるため除外となり、ツールの選択、パイロットプロジェクトの実行、組織へのツールの導入といった節を削除した。


第6章でも高度な内容の記載が削除され、シンプルな内容となるように変更されています。


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最後に)Foundation Level受験予定者に向けて


試験は2024年10月まで旧シラバスv3.1をベースに行われ、2024年11月より新シラバスv4.0をベースとした試験に切り替わります。

今回のシラバス改定では、本質的なテスト担当者に求められる内容を維持しつつも、アジャイル要素を大きく取り込むなど昨今のシステム開発のトレンドに合わせて大きくアップデートされています。

特別な事情がない場合は、基本的に11月以降の新シラバス4.0ベースの受験を目指されると良いでしょう。

ただし旧シラバスで既に受験学習を始めているなど、v3.1ベースの受験を希望する場合は、本家サイトを確認のうえ、新シラバスに切り替わる前に受験しておくと良いでしょう。


【参考出典】


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